社員のボランティア活動推進で大切なこと【サステナビリティ・ウォッチ】

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平井 加世(株式会社イースクエア コンサルティンググループ マネージャー)

社会貢献活動に関して、戦略策定に加えて最近特にご相談が多いのは「取り組み案の検討(グローバルでのNGOとの協働取り組み、国内でのフラッグシップ的取り組みなど、内容はさまざま)」と「社員のボランティア活動の推進」の2つである。以前は、戦略策定、重点分野設定が主なご相談内容だったが、最近は多くの企業で、社会貢献活動のステージが具体的な活動の推進へと進んだと感じる。

社員のボランティア活動推進については、「もっと社員に参画してもらうためにはどうしたらよいか」という課題認識を持っている企業の方が大多数だ。そのため、「どのような仕組みを用意すればよいか」、「社内外への発信の仕方はどうやるのか」、「参加しやすい取り組み案は何か」など、いただくご相談は「やり方」に関するものが多くなる。

何のためにボランティア活動をやるのか

もちろん、「やり方」は活動の推進に不可欠だが、最も重要なのは「なぜやるのか」といった活動の目的をきちんと整理したうえで取り組み・仕組みを設計し、社員に伝えていくことである。

「ボランティアはいいことだからやりましょう!」、「やってみたら楽しいですよ!」、「ほんのちょっとの時間、簡単だからぜひ!」と声掛けしても、社員の巻き込みには限界がある。一方で、「これからはボランティアへの参加率が人事考課の対象になります」といった発信では、「ボランティア」という言葉が誤解されてしまう可能性がある。

多くの企業では、何かプロジェクトを進める際には、全てのプロジェクトメンバーにその概要や目的を伝えることが一般的だろう。それは、一人ひとりのスタッフも、自身の担当業務の範囲だけを理解しているよりは、プロジェクトの全体像や目的を理解している方が、モチベーションも生まれ、個々の仕事の結果がプロジェクト全体の成果につながりやすいからである。ボランティア活動においてもこれと同じことが言える。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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