国連WEPsの今、年次会合レポート【ダイバーシティとジェンダー】

大西祥世
グローバル・コンパクト研究センター研究員
このエントリーをはてなブックマークに追加

CSRmonthly_oonishi
大西 祥世(グローバル・コンパクト研究センター研究員)

国連のWEPs事務所は、職場、市場、地域におけるジェンダー平等と女性のエンパワメントの一層の推進を目指して、2009年から毎年、3月8日の「国際女性の日」に合わせて年次会合を開催しています。2013年も3月5日~6日に米国ニューヨーク市で開催されました。

今回の会合のテーマは、「インクルージョン:変化への挑戦」です。女性のエンパワメントの実現に向けて企業文化をどのように変革し、多様性とインクルージョンを確保して、ビジネスの利点にするかということで、世界各地の企業、NGO、研究・教育機関の取り組みが報告され、議論が行われました。

主役となる代表的な民間企業CEO及び役員、国際NGOや研究機関の関係者とともに、国連の諸機関、各国の政府などからの出席者も増えて、約300 人が参加しました。日本からは経営トップ層の、資生堂岩田喜美枝前副社長やクロスカンパニー石川康晴CEO、政府の職員など7人が参加しました。会合は年々盛大になってきたという印象です。

会合では、各国の企業やNGOから、女性のエンパワメントを実効的に進めるための好事例が多数報告されました。例えば、トルコの携帯電話サービス最大手であるタークセル社は、従業員の50%、管理職の42%が女性で、「女性の力を経済力アップに」という企業方針に基づき、さまざまな事業を実施しています。2003 年からの10 年間でトルコ各地の5万5千人の女性の起業を支援したり、100 万人の顧客に対して女性に対する暴力撤廃キャンペーンを行ったりするなど、事業規模の大きなことが特色です。企業のビジネスの力を使って女性のエンパワメントを推進して、ビジネスにもメリットをもたらしたWEPs を生かした好事例として、会場からも感嘆の声があがりました。

ファッションブランドのMCMを韓国で展開するソンジュ・グループ社のキム・ソンジュCEO は、男性支配的な韓国ビジネス界における起業から現在までの経験を報告し、女性のエンパワメントの重要性について指摘しました。

ページ: 1 2

大西祥世
グローバル・コンパクト研究センター研究員
博士(法学)専門は憲法、ジェンダーと法・政策。主著に『女性と憲法の構造』(信山社、2006 年)『ポジティブ・アクションによる女性のエンパワメントと平等推進―国連グローバル・コンパクトの新たなチャレンジ』(法學志林109 巻1 号、2011 年)『グローバル化における企業の公法上の位置づけ』(公法研究74 号、2012 年)など。

2014年9月17日(水)12:03

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑