労働基準法違反を内部通報した従業員に社長が圧力をかけたとされる問題で、「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティは4日、従業員に向けて謝罪したと発表した。一方、内部通報した従業員が加盟する労働組合「エステ・ユニオン(ブラック企業対策ユニオン・エステ支部)」は5日、「髙野友梨社長による謝罪の場に組合員はいなかった」と反論。組合は「謝罪の前提となる事実の確認がなされていない」と指摘する。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
たかの友梨ビューティクリニック仙台店に勤務するエステ・ユニオン組合員は、残業代の未払いや長時間勤務などの是正を求めて内部通報を実施。仙台労働基準監督署は8月、不二ビューティに是正勧告を行った。髙野社長は同月22日に仙台市を訪れ、飲食店で同店店長や従業員を前に2時間以上にわたり自説を主張した。
この時、髙野社長は組合員を名指しして「労働基準法に従えば(会社は)絶対成り立たない」「つぶれるよ、うち。それで困らない?」などと問い詰めた。他の従業員にも「(組合に加盟したかを)正直に言って」と問いただした。
また、「正義という名を借りて、自分の要求をしてきます」「会社誹謗の反旗を掲げる。創業36年、初めてのこと」などとする文書を管理職に読み上げさせた。組合員はその後、精神的ショックにより休職を余儀なくされている。
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