聞こえない100万人のために、みんなでつなぐ「電話リレーサービス」

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電話リレーサービス概要

電話リレーサービス概要

NPO法人インフォメーションギャップバスター(横浜市/IGB)は2011年、「情報格差」のない豊かな社会を実現することを目的に設立された。同団体は、聴覚障がい者向けの電話代行サービス「電話リレーサービス」の義務化を目指し、オンライン署名を呼びかけている。国内で100万人ほどいると言われる耳にハンディを持つ人のために、1万人の署名を集めることが目標だ。(オルタナ編集部=辻陽一郎)

■電話を使えないことが引き起こす問題、命の危険も

IGBを立ち上げた伊藤芳浩さん自身も聴覚障がいがある。大学卒業後、一般企業に就職したが、職場の人の協力もあって、新規事業立ち上げに関わるなど活躍の機会を得ることができた。

「職場の人がハンディに対して理解し、力を十分に発揮できるように権限を与えたり、仕事を任せたりしていただきました。特に、情報量に差が出ないように配慮していただいたおかげで普通の人とほとんど変わらず、働くことができました」と、伊藤さんは周囲の理解の重要性を訴える。

一方、職場のなかでコミュニケーションがうまくいかず、情報が十分に得られない人もいる。情報量の差から、活躍の場を作ることができない。伊藤さんは、この問題を解決するためにIGBを設立した。「誰もが平等に情報を得ることができ、自身の可能性を追求してほしい。情報が伝わっていないことは本人が意識していないと気づかないので、自分が情報弱者であることはなかなか分かりません」。

コミュニケーション手段に電話を使えないことは、仕事の場面や日常生活で様々な不便を引き起こす。メールで話は通じると思う人も多いだろう。しかし、仕事の場面では取引先と交渉したり、雑談で場を和ませたり、メールだけでは難しいコミュニケーションもたくさんある。電話が使えないと活躍できる場所が限られてしまうのだ。

救急車や警察を呼ぶなど、緊急時も大変だ。メールで連絡するサービスはあっても、一方通行なので、体の状態や現場の目印など細かい説明をすることができない。その間に家が燃えてなくなってしまうかもしれない。その1分が命取りになってしまう。

生命に関わる問題だけでなく、日常生活にも支障をきたす。レストランの当日予約やカードの紛失手続きなど、一つひとつはささいなことでも何度も繰り返して起こると、それが大きな不便となっていく。活躍の場が限られたり、身体やメンタルに影響が出たりしてしまうこともある。

■電話リレーサービスを公的サービスに

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2015年10月9日(金)9:30

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