林業スクールの講師が危ない(田中 淳夫)

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オルタナ本誌 連載「「森を守れ」が森を殺す」(57号)から

今年4月16日、青森県で開かれた林業の安全講習会で、講師が伐採した木が受講者に当たり死亡する事故があった。

ニュースによると主催したのは林業・木材製造業労働災害防止協会青森県支部で、現場は青森県産業技術センターの敷地内。講師がチェーンソーで直径40センチの木を伐採したところ、想定していたのとは逆の方向に倒れ、受講していた62歳の森林作業員の頭に直撃したという。

この事故で驚くのは、何といっても安全講習中の事故であり、受講者もまったくの素人ではないことだ。伐採技術と安全管理、そしてそれらを教えるノウハウという3つの点で失格なのだ。

伐倒では方向の制御がもっとも重要な技術だが、それができていない(この事件を伝える記事にある切株の写真によると、伐採セオリーを無視している)。伐倒時の受講者への注意も怠っている。そもそも「見ておぼえろ」という教え方が前時代的で失格だ。

私が危惧するのは、こうした事例は決して珍しくないこと。林業従事者および今指導者の技術が自己流で、安全に対する意識も低く、教え方も十分に身につけていないことが多い。

 

※この続きは、オルタナ57号(全国書店で発売中)掲載の連載「「森を守れ」が森を殺す」をご覧ください。

 

田中 淳夫(たなか・あつお) 森林ジャーナリスト。1959年生まれ。主に森林・林業・山村をテーマに執筆活動を続ける。著書に『森と日本人の1500年』(平凡社新書)『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』『鹿と日本人』(ともに築地書館)『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)などがある。

2019年7月4日(木)17:01

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