住友林業など「五輪調達基準違反」NGOが告発

「合法」な森林減少どう止めるか

東京2020組織委員会は、「持続可能性に配慮した木材の調達基準」のなかで合法性や長期的な管理、生態系の保全や地域住民の権利への配慮などを規定している。

コリンド社からの型枠材の供給は、調達基準に違反していないのか。この点について住友林業は、「コリンド社の木材はインドネシア政府などが合法性を証明するSVLKを取得しており、調達基準に反しないと判断した」と説明している。

SVLKは政府が指定した独立機関が、合法的な供給源からの木材であることを証明する基準だ。しかしインドネシアでは、生産林として区分される森林に対し農園開発や造林のための皆伐が、制度に基づいている限り合法とされている。森林の持続可能性という観点からは、「合法」な土地利用転換による森林減少への対応が抜け落ちているという指摘もある。

国内外の環境NGOなどから大量の熱帯林使用への批判の声の高まりもあり、組織委員会は2019年1月、調達基準に「森林の農地等への転換に由来するものでないこと」という規定を加え、転換材の調達を禁止する方針を示した。

また住友林業は、転換材の不使用を含め自社の調達基準の検討作業を進めているという。「川上から川下へのサプライチェーン(供給網)を通じ、持続可能な木材調達をさらに推進していく」(サステナビリティ推進室)とする。

一方、レインフォレスト・アクション・ネットワーク日本代表の川上豊幸氏は、「改定前の調達基準を普通に解釈すれば、すでに転換材は禁止されていたはず。あえて禁止と書き込むということは、これまでは許されていたということなのか」と組織委員会の基準改定に疑問を呈する。

改定前の基準では、「中長期的な計画や方針に基づき管理運営されている森林に由来するもの」が条件の一つとされており、農地などへの転換のために皆伐された木材は、「森林に由来するもの」とは言えないという指摘だ。

昨年11月のRANの通報では、「組織委員会がインドネシアのSVLK認証木材を利用可能としたことが、調達基準の違反を誘発した」と批判している。

また地球・人間環境フォーラムの坂本有希氏は、「インドネシアなど一般的に調達リスクが高いといわれている地域では、調達企業のデューデリジェンス(リスクの認識・防止・対処プロセス)がより重要になる。その第一歩は、原材料がどこから来ているのかというトレーサビリティの徹底だ」と指摘する。

■通報後8カ月放置の案件も

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2019年7月26日(金)17:19

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