スーパーコンピューターと気候変動とフロンの話

データセンターの消費電力の45%が冷却設備

そこで問題になるのが、これら大量に熱を発するIT機器の冷却装置です。データセンターの消費電力の45%が冷却設備です。冷蔵庫やクーラーと同様、あらゆる冷却装置には冷媒が仕込まれ、熱交換をしています。代表的な冷媒は「フロン」ですが、これはオゾン層を破壊するため、90年代にHFCなどの「代替フロン」に切り替わりました。

この「代替フロン」が今、気候変動を加速する存在として、国際的に(悪い意味で)注目されているのです。代替フロンの多くは温室効果係数(CO2が1)が1000~10000と、非常に高いのが特徴です。

「代替フロン」を削減しようと、日本など各国は2019年1月、モントリオール議定書の「キガリ改正」を批准しました。その結果、新規生産量は2015年を100として、2019年には10%減、2024年には40%減、2029年には70%減、2036年には85%減を計画しています。

ところが「代替フロンの代替」に決定打はないのです。次世代冷媒としてはCO2や空気、アンモニアなどがあるものの、効率、有毒性や燃性の問題で、どれも一長一短があります。
フロン問題は解決していない

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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