スイスの町ツアーで社会的弱者の理解へ

■世界のソーシャルビジネス 欧州編 スイス 

スイスの人道支援団体スープリーズ協会が行っている「町ツアー」が、人気を呼んでいる。研修を受けたホームレス経験者(貧困者)が市民を連れて町を歩き、弱者向けの施設や店について説明する。個人のほか、学校の社会見学、企業の研修としての申し込みも増え、弱者理解が進んでいる。(チューリヒ=岩澤 里美)

隔週刊の「SURPRISE」。国内100カ所以上で販売

スープリーズ協会は、ホームレス状態の人が質の高い雑誌を町中で販売して、収入を得られるよう支援している。雑誌「スープリーズ」は1冊約650円で、うち約300円が販売者の収入になる。2017年は400人以上の販売員が44 万部を売り、約1億4200万円が彼らの収入になった。

これに加え、同協会が2013年にバーゼル市で始めた新しい試み「町ツアー」も、貧困者の自立の一助になっている。貧困者自身がガイドになり、町を案内し、徴収した参加費の一部が収入になるのだ。

「ホームレスの生活」「生活保護受給者たち」「虐待や暴力を受けた女性の保護と自立」などテーマ別にいくつかルートがある。通年開催で、1回2─2時間半。5人催行で、最大定員20人(参加は14歳以上を奨励)。参加費は1人2700─3200円、学生などは半額だ。オンライン申し込み状況を見ると3カ月先の予約もあり、ツアーへの関心の高さがうかがえる。2014年からはチューリヒ、2018年からはベルンでもガイドたちが活動中だ。

普段は見えにくい場所へ

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2020年10月5日(月)11:00

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