石巻のNPO、「地域包括ケア」を実践

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在宅避難者には高齢者が多い

宮城県石巻市のNPO法人「フェアトレード東北」は、自らも被災しながら、災害弱者の支援に震災当日から奔走してきた。同NPOが今、最も力を入れているのは、「自宅にいれば自立」とみなされ、公的な支援が得られない「在宅避難者」のサポートだ。地元NPOだからこそできる「地域包括的な支援」が、半年以上もギリギリの生活を強いられている人々の毎日を支えている。

同NPOは、支援物資を大規模に配る活動はやめて、1万人近い被災者を個別調査し、最優先で支援すべき約1000人を絞り込んだ。

在宅避難者には、仕事がなく体が不自由で、炊き出しや店に行けない人も多い。寝たきりにでもなれば介護認定されるが、同NPOの目的は、その予防だ。スタッフが手分けして定期的に訪問して見守りを続け、心配な場合は、医師や介護福祉士、弁護士など、同NPOと連携する多様な専門職チームに引き継ぐ。

同NPOは、もともと石巻を拠点に、引きこもり、シングルマザー、障がい者、一人暮らしの高齢者など、社会的に「生きにくい」人々に寄り添ってきた団体だ。震災後に入ったメンバーも合わせて、スタッフは現在16人。多くが20~30代と若い。

今回の震災でスタッフも家を流され、職を失っている。家族を亡くした人もいる。しかし、顔見知りの多い地元NPOには、震災当日から多くの情報や課題が持ち込まれた。布施龍一代表は、「日の当らない災害弱者のケアは誰もしないから、地元の僕らがやるしかなかった。この半年、全く休む暇がない」と苦笑する。不足しているものを問うと「金と人」と率直に答えた。

「大きな額の寄付金は、名のある団体に流れる。個人的な支援を取り付けるしかなかった」。活動内容を評価して積極的に援助してくれる外資系企業が2社ほどあるが、どうしようもない資金難は続いている。人員も不足している。「雇用は復興のカギだが、働く意欲が出てこない人、自暴自棄になっている人もいる」と石巻の過酷な現状を語る。

組織的なボランティアも相当数入ってきているが「本当に困っている人たちには届いていないケースが多い」という。今も石巻には、壊れかけた家屋で必死に命をつないでいる人々が千人単位でいる。支援者が休める日は、いつ来るのだろうか。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

2011年9月26日(月)10:48

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