愛知県、中電敷地内でがれき処理検討

愛知県ががれき処理施設の建設を検討する碧南火力発電所(中電ホームページから)

愛知県は、東日本大震災で発生したがれきを同県碧南(へきなん)市の中部電力碧南火力発電所に自前の焼却施設などをつくって受け入れる方針を決め、中電側と調整に入った。

大村秀章知事は19日の定例記者会見で「国の対応は不十分だが、これ以上問題を放置することもできない。2月末に県が主体となって引き受けることを決め、3月から関係機関と検討協議に入った」と言明。

ただし、「検討協議中で具体的なことは現段階で申し上げられない。ある程度、整ってから県民に情報提供したい」と言葉を濁した。

関係者によると、県が発電所の土地の一部を中電から借り、がれきの焼却施設を建設。焼却灰も敷地内で埋め立てる。安全性を確保するため独自の安全基準を設けたうえで、別の焼却施設で試験焼却をして放射性物質の濃度などを公開する方針。

焼却、埋め立て施設の整備には廃棄物処理法の許認可など法手続きに時間がかかることから、国に特例措置を求めて早期完成を目指す。

中電側も県から打診があったことを認めた。しかし、地元の碧南市からは受け入れに難色を示す声も上がっており、今後は紆余曲折が予想される。(オルタナ編集委員=関口威人)

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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