記事のポイント
- 反ESGの圧力が強まってきたが、投資家のスチュワードシップが問われている
- スチュワードシップとは、「受託者責任」を果たすための行動規範だ
- スチュワードシップ戦略の策定支援を行うコリン・メルヴィン氏に話を聞いた
反ESGや反DEIの圧力が強まってきたが、投資家のスチュワードシップ(投資家の行動規範)が問われている。英国や北米で機関投資家のスチュワードシップ戦略の策定支援に取り組む英アルカディコ・パートナーズのコリン・メルヴィンCEOに話を聞いた。(英アルカディコ・メルヴィンCEO)

アルカディコ・パートナーズのコリン・メルヴィンCEOは20年以上、長期の機関投資家に向けたスチュワードシップ戦略の策定支援に取り組んできた。現在は機関投資家の投資先企業の価値向上を図るため、企業とのエンゲージメント(対話)や議決権行使の実践方法や、戦略策定支援などを行う。
アルカディコ・パートナーズを立ち上げる前には、自身が設立した英ハーミーズEOSのCEOなどを務めた。ハーミーズEOSは、機関投資家に代わってスチュワードシップ関連サービスを提供する会社で、同領域のサービスでは世界最大規模まで成長させた。
それ以前には、国連責任投資原則の理事や議長も務め、ESGを投資プロセスに組み入れることを提唱した「責任投資原則(PRI)」の原案策定にも関わった。
メルヴィンCEOは、サステナビリティと受託者責任の関係性について、「資産の持続可能な運用は受託者責任において不可欠だ」と言い切った。
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