滋賀銀行、融資で滋賀県のCO2排出実質ゼロを後押し

記事のポイント


  1. 滋賀銀行は、サステナビリティ・リンク・ローンを提供している
  2. 滋賀県の「CO2排出実質ゼロ」に貢献する取り組みだ
  3. 融資先の「野心的な」CO2削減目標の達成時に優遇条件を適用する

滋賀銀行は、滋賀県とコラボしたサステナビリティ・リンク・ローンを商品化している。滋賀県内の企業を対象とし、「CO2削減」に関連する事業挑戦目標(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット=SPTs)の達成状況と融資条件を連動させ、滋賀県の「CO2排出実質ゼロ化」という社会課題に貢献する。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

同行のサステナビリティ・リンク・ローンは、脱炭素に向けた取り組みを地域に広げ、滋賀県のCO2排出実質ゼロの実現と、利用企業の企業価値向上を同時に目指す融資商品だ。

滋賀県と滋賀銀行へ事前に提出する「野心的な」CO2削減目標の達成状況と金利などの融資条件が連動し、達成時に優遇条件が適用される。

滋賀銀行のパーパスは「『三方よし』で地域を幸せに」

サステナX

滋賀銀行サステナビリティ・リンク・ローンの主な特徴は次の通りである。

1. 滋賀県が推進している「しがCO2ネットゼロ」ムーブメントへの賛同を表明する。
2.滋賀県の事業者行動計画書制度に参加し、CO2削減に関する「挑戦目標」を滋賀県に提出し、目標の達成状況に応じて金利などを優遇する。
3.同行は、CO2排出削減につながる提案やサービスの紹介などを行う。
4.同行は、融資先が脱炭素に取り組むサステナビリティ経営を実践することで、社会的支持につながる。
5.目標の妥当性等について、評価機関(株式会社しがぎん経済文化センター)の意見を取得する。

このローンは2020年から商品化され、今年4月には、同県彦根市にあるポンプメーカーのアクアシステムと、「『しがぎん』サステナビリティ・リンク・ローン『しがCO2ネットゼロ』プラン」の契約が締結された。「須越工場のCO2排出量削減率」をSPTsに設定している。

滋賀銀行グループは、「『三方よし』で地域を幸せにする」のパーパス(存在意義)のもと、「地域を幸せにする好循環」のエンジンとして、第8次中期経営計画に取り組む。

サステナビリティ・リンク・ローンは、同計画の基本戦略のうち「インパクトデザイン」に基づく取り組みだ。同行グループは「これからも、ESG金融を通じてお客さま・地域の成長をデザインし、サステナブルな社会の実現に向けたインパクトの創出に貢献してまいります」と強調している。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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