記事のポイント
- 世界気象機関(WMO)が今後の世界気温の見通し示す報告書を公表した
- 今後5年のうち少なくとも1年は、80%の確率で1.5℃を超えると予測する
- 短期的な1.5℃の超過はパリ協定の目標の恒久的な違反とはみなされない
世界気象機関(WMO)は6月5日、2024年以降の5年間で、少なくとも1年は、一時的に世界の平均気温が産業革命前の水準から1.5℃を超える可能性が8割と発表した。加えて、今後5年以内に少なくとも1年は、史上最も暖かくなった2023年の気温記録を上回る可能性が高いという。短期での1.5℃の超過は、パリ協定で掲げた目標を恒久的に守れなかったものとはみなさないものの、引き続き気候変動対策の緊急性を強調した。(オルタナ副編集長・北村佳代子)
これは、数十年にわたる長期的な気温上昇が、パリ協定で定めた1.5℃にますます近づいているという厳しい警告だ。
2015年までは、5年以内に1.5°Cを超える可能性のある年はほぼゼロだったが、その後、超過する可能性は高まり続けている。2017年からの5年間では1.5℃を超過する可能性が20%だったのに対し、2023年からの5年間では66%だった。
5年間の平均気温で見ると、2024年からの5年間で1.5℃を超過する可能性は47%と算出した。なお、昨年同様に公表した2023年からの5年間の32%からは上昇している。
(この続きは)
■国連事務総長「我々は地球でロシアンルーレットをしている」
■「1.5℃水準を一時的でも超過する頻度が高まっている」