記事のポイント
- 日経平均株価が最高値を連日更新したが、大暴落する可能性も
- 長期投資を実践するさわかみ投信創業者がそう指摘した
- トランプ関税によって、成長率低下やインフレの火が燃え上がると語る
日経平均株価が最高値を更新し、米国も株高に沸いている。だが、この状況に、長期投資を実践するさわかみ投信創業者の澤上篤人氏は「大暴落する可能性もある」と指摘する。トランプ関税によって、「経済成長が停滞し、インフレがさらに強まり、それらは間違いなく株価を冷やす材料となる」と語った。(さわかみホールディングス社長=澤上篤人)
日経平均株価が最高値を更新した(2025年8月15日時点)。米国もやはり株高に沸いている。投資家やマーケット関係者たちからすれば、どんな株高であれ株価の上昇は歓迎ということだろう。経済の現場においても、株価は先行きを明るく照らしてくれるからやはり歓迎である。
その株高だが、どうにも解せない買い材料によるものでしかなく、この先極めて危ういものがある。ちなみに日本では、トランプ関税で予測されていた一律25%よりも低い、15%に落ち着いたことを、しきりに報道している。米国では中央銀行にあたるFRB(連邦準備理事会)が9月にも利下げするという期待感によってだ。
日本の場合、米国が課す関税率が15%へと引き上げられるのだ。それだけ対米輸出が厳しくなるし、輸出企業にとっては利益圧迫要因となる。どう考えても株高をはやし立てる局面ではない。
一方、米国ではトランプ大統領がFRBに対し、金利引き下げを事あるごとに要求している。それも、いま4.25%の政策金利を1%にしろと自らのSNSに書き込んだりといった、とんでもない要求だ。
■トランプ関税が株価を「冷やす材料に」
■国民の低所得化や貧困化が止まらない
■30年間、異常なるカネ余り政策が進んできた