■オルタナティブの風(32)
賢明な国民がいない国に、賢明な国家リーダーは生まれてこない。
現在の世界の政治状況を見ていると、そのことを痛感する。
現在、米国で大統領選が行われているが、共和党の候補は、政策の是非以前に、「法律を守る」「事実と真実を尊重する」「虚偽と不正を排する」といった民主主義の土台を破壊する人物であり、もし、この候補が民主主義的選挙制度を通じて当選するのであれば、それは、「民主主義の自殺」と呼ぶべき悲劇であろう。
しかし、実は、この深刻な問題の本質は、この元大統領という人物の常軌を逸した言動ではない。