シオノギヘルスケアなど3社が連携し塗り薬容器の再資源化へ

記事のポイント


  1. シオノギヘルスケアなど3社は「ぬりぐすり容器リサイクルプログラム」を開始した
  2. ドラッグストアで一般消費者から使用済みの塗り薬容器を回収し、再資源化する
  3. こうしたマテリアルリサイクルの取り組みは、日本で初めてだ

シオノギヘルスケア、第一三共ヘルスケア、田辺三菱製薬の3社はこのほど、「ぬりぐすり容器リサイクルプログラム」を開始した。一般消費者から使用済みの塗り薬容器を回収し、再資源化するマテリアルリサイクルの取り組みは、日本で初めてとなる。(辻陽一郎)

塗り薬容器の回収ボックス
塗り薬容器の回収ボックス

3社はテラサイクルジャパンの協力のもと、大阪府と兵庫県内のドラッグストア16店舗に専用回収ボックスを設置。市販薬(OTC医薬品)の使用済み塗り薬容器を回収する。

対象はプラスチック容器とアルミチューブで、ブランドやメーカー、購入場所を問わず受け付ける。回収に参加した消費者にはポイントが付与され、NPOやNGOへの寄附やリサイクルグッズとの交換に利用できる仕組みだ。

回収した容器は素材ごとに分別され、粉砕・洗浄などの工程を経てリサイクル処理を行う。一定量が集まった段階で、リサイクル素材を用いた製品の製作を目指す。

シオノギヘルスケア経営管理本部の大槻功氏は、「アルミはリサイクル性の高い素材だ。しかし、塗り薬に使用されるアルミチューブのリサイクルはまだ確立されていないため、リサイクルプログラムを立ち上げることにした」と説明する。

これまでリサイクルが難しいとされてきた分野で、製薬会社3社が垣根を越えて協働することで、業界全体のサステナビリティ意識を高めていきたい考えだ。

「人々の健康を守るためには、地球環境を守る必要がある。一人ひとりが健康を大事にできる社会を創るための第一歩として、使用済みぬりぐすり容器のリサイクルプログラムを実施し、消費者と皮膚用薬業界双方のリサイクルへの意識向上を図りたい」(大槻氏)

辻 陽一郎

辻 陽一郎

慶應義塾大学卒業。ヤフー入社。その後独立。広報・マーケティングを専門に中小企業・NPOの支援を行う。2014年からライターとしても活動。2015年に「NPONews」を立ち上げ、NPOの情報発信をサポート。

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