記事のポイント
- ノルウェーでは、2025年の新車販売台数に占めるEV比率が96%と過去最高に達した
- 2025年12月の単月では、EV比率は98%に達した
- 同国で最も高いシェアを誇るのはテスラ車だ
ノルウェーでは、2025年の新車販売台数に占めるEV比率が96%と過去最高に達した。2025年12月単月の新車販売でのEV比率は98%に達した。同国で最も高いシェアを誇るのはテスラ車だ。長年の政府による強力なEV普及施策が奏功している。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

(c) Jamieson Pothecary/Norsk elbilforening
ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)は1月2日、2025年に同国で登録された新車の95.9%がEVだったと発表した。2024年の88.9%から7ポイント上昇し、過去最高となった。
OFVのゲイル・インゲ・ストッケ事務局長は、「2025年は自動車業界にとって非常に特別な1年だった。長期的な目標を定めて進めてきたEV促進政策の成果と、特定の税制決定が市場に即座に及ぼす影響を確認できた」とコメントした。
「年末にかけてのラストスパートは歴史的に見ても力強く、2026年1月1日からの付加価値税の追加課税が、多くの人が2025年内に新型EVを購入する選択をした一因であることは疑いようがない」と付け加えた。
ノルウェーでは昨年10月、2026年以降から1台あたり最大5,000ドル(約78万円)の付加価値税を追加すると発表していた。
駆け込み需要もあり、2025年の新車登録台数は、前年から4割増の17万9550台となり、これまでの過去最高だった2021年の記録を更新した。
■ノルウェーではテスラ人気が続く
同国の新車販売の約5台に1台がテスラ車だ。
2025年、ノルウェーで登録されたテスラの新車台数は、前年から41%増の計34285台となり、市場シェアは19.1%だった。OFVのデータによると、特にマスマーケット向けのクロスオーバーモデル「モデルY」が人気を博した。
ストッケ事務局長は、「新車販売台数が過去最高を記録した年に、テスラ車が約20%の市場シェアを獲得したこと自体が注目に値する」と話す。
「これほど少ないモデルラインナップで、この販売台数を達成したことは、テスラ車への需要の高さと同社がノルウェー市場に与える影響力の両方を物語っている」(ストッケ事務局長)
新車登録台数でテスラに続いたのは、フォルクスワーゲン(13.3%)、ボルボ(7.8%)だ。中国車も、BYDが2倍以上台数を伸ばしたこともあり、中国車全体での市場シェアは13.7%に拡大した。
■EV普及政策の飴と鞭がEVシフト促す
ノルウェー政府は長年、強力なEV普及施策を推進してきた。
2017年には、「国家運輸計画(2018-2029)」の中で、2025年までにすべての新車販売を排出ゼロにするとの目標を打ち立て、EVの普及促進につながる措置を積極的に打ち出した。
具体的には、新車購入時の税制面での優遇に加え、高速道路の利用料や駐車場料金の減免、バスレーンでの走行許可などの施策を講じた。またEV用の急速充電器の普及も進めた。
ノルウェーのセシリー・クニベ・クログルンド運輸副大臣は昨年、米メディアに対して、「内燃機関車の使用禁止措置を課すより、EV の普及支援に向けた長期的かつ一貫した政策設計が、EVシフトに向けて極めて重要」とコメントした。
一方で、ノルウェーEV協会のクリスティーナ・ブー会長は「国外では、EV税制優遇やインセンティブばかりが注目されるが、実はこうした『飴』の側面よりも『鞭』の側面が非常に大きい」との見方を示す。
「一部のEV優遇措置は縮小されたが、政府はガソリン車・ディーゼル車の価格を引き上げる課税を継続的に強化している。ICE(内燃機関)車は、課税によって事実上廃業に追い込まれている」(ブー会長)
なお、2025年に新車登録されたICE車は、車椅子対応車や警察・救急隊用車両などの特殊な車両が中心だった。



