記事のポイント
- 非常食において「誰もが食べられる」という視点はまだ十分に広がっていない
- アルファー食品は、アレルギーや宗教などに配慮した非常食を開発している
- 多様性に配慮した非常食の提供で、「誰も取り残さない防災」を進める考えだ
災害時の備蓄として広がる非常食だが、「誰もが食べられる」という視点はまだ十分に浸透していない。そのため、アレルギーや宗教上の制約、咀嚼や嚥下機能の違いなどにより、避難所で食事を取れない人が生じる可能性がある。こうした課題を踏まえ、アルファー食品は多様性に配慮した非常食の開発に取り組む。備蓄の在り方を問い直すことで、「誰も取り残さない防災」の実現を目指している。(オルタナ編集部・川原莉奈)

3月は防災意識が高まり、備蓄を見直す動きが広がる時期でもある。だが、これまでの備蓄は「長期間保存できるか」「人数分揃っているか」といった視点が中心で、「誰が食べられるか」まで踏み込めていないケースも多い。
実際、集団の中にはアレルギーを持つ人や、宗教上の理由で食事制限がある人、咀嚼や嚥下が難しい人など、さまざまな事情を抱えた人がいる。災害時、避難所や職場などで食の選択肢が限られてしまえば、食事を取れない人が生じる懸念がある。
こうした状況を背景に、アルファー食品(島根県出雲市)は、家庭に限らず社会全体の防災備蓄を見据えた長期保存食シリーズを展開する。
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ラインアップは、アルファ化米のご飯を中心に、おこげ、レトルトのおかゆ、スープなど約30種類に及ぶ。
特筆すべきは、全商品で特定原材料等28品目を使用していない点だ。さらに、UDF(ユニバーサルデザインフード)規格に適合した商品や、ハラール認証を取得した商品もある。
開発に至った経緯について同社は、「震災を経て非常食が普及する一方、避難所で配られても食べられない現実があることを認識した」と説明する。「非常時こそ取り残される人を生まない備えが必要だと考え、『誰もが食べられる』非常食の開発に本格的に取り組んだ」(同社)。
東日本大震災から間もなく15年の節目を迎える。同社は多様性に配慮した非常食の提供を通じて、「誰も取り残さない防災」を推進する考えだ。



