パリ郊外にできた初の「リユース村」、家具や洋服屋が並ぶ

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記事のポイント


  1. パリ郊外にリユースショップ8店が並ぶリユース村「ヴネル(小路)」ができた
  2. 非営利団体が運営する店が複数集まるリユース村は初めてだ
  3. 従業員に失業者を雇い、人々の「連帯」 を目的としている

パリに隣接するモントルイユ市に、2025年9月、小路の両側にリユースショップ8店が並ぶリユース村「ヴネル(小路)」ができた。中古衣料や家具を販売する店はフランス中にあるが、非営利団体が運営する店が複数集まるリユース村は初めてだ。従業員に失業者を雇い、人々の「連帯」 を目的としている。(在パリ編集委員・羽生のり子)

小路を挟み両側に店がある

セーヌ・サンド二県モントルイユ市は、第二次世界大戦前から続く左派政権の自治体で、ヒッピー的な雰囲気が強い。ヴネルができる前から、 非営利団体が運営するリユース店が数軒あり、中古製品を使うことが人々の生活に浸透していた。

リユース村では一階が店で、上階は民間マンションと公団住宅だ。19世紀末は、地元に住む一家が細長い農地と厩舎を購入し、袋小路の両側に長屋を建設した一角だった。

建物が老朽化し、不衛生になったので、市と、県内東部の9自治体で構成する公的団体「エスト・アンサンブル (東が一緒に)」が再開発を検討し始めた。

ヴネルを統括するのは、イル・ド・フランス地方リユース連絡網「REFER(レフェール)」だ。2014年設立の非営利団体である。リユース村の構想を立てていたレフェールと、歴史的な地区を保護しつつ適正価格の住宅地を作りたい市の意向が一致して、ヴネルの建設が始まった。

衣料の店、子ども用品の店、 廃材の木を使った家具の店、 舞台装置の店、家電製品の店、 スポーツ用品の店が入っている。衣類や家具、食器、本を扱う地元の店2軒はここに新たに出店した。奥にはカフェ・ レストランがある。

子ども用品の店のおもちゃ

■商品は寄付されたもの

衣類や家具の「コレクトリー」は、アップサイクルの製品も販売する。布を貼り直した椅子、男性用シャツから作ったブラウス、端切れ紙で作ったノートなどだ。子ども用品の「ク・ドゥ・マン(手助け)」では靴下からコートまで、衣類はなんでも揃う。 おもちゃや絵本も充実している。

衣類と家具の店

舞台装置の店は、劇場から寄付された照明器具や音響装置を修理して販売する。劇場を持たない小さな劇団が公演をするときに必要なものを買っていくという。

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舞台装置の店

家具の店は、捨てられた窓枠やドアからテーブルや椅子を作って販売する。廃材で木の小物を作るアップサイクルのワークショップも行っている。どの店でも、蚤の市や委託販売の店、商業的なセカンドハンドショップに比べて格安だ。

廃材の木で作った家具の店

販売品は全て寄付されたもので、運営団体が取捨選択し、 修理して店に出す。各店がヴネル全体の寄付の受付を毎週交代で担当する。担当店のトラックがその週の寄付品を搬送するので、個別に搬送するよりエネルギーと手間の節約になる。

客は地元民が多いが、SNSで知ったパリ住民や観光客も来るようになった。こうした人々を通して、ヴネル方式が他の地方に広がっていくかもしれない。

hanyu

羽生 のり子(在パリ編集委員)

1991年から在仏。早稲田大学第一文学部仏文卒。立教大学文学研究科博士課程前期終了。パリ第13大学植物療法大学免状。翻訳業を経て2000年頃から記者業を開始。専門分野は環境問題、エコロジー、食、農業、美術、文化。日本農業新聞元パリ特約通信員、聴こえの雑誌「オーディオインフォ」日本版元編集長。ドイツ発祥のルナヨガ®インストラクター兼教師養成コース担当。共著に「新型コロナ 19氏の意見」(農文協)。執筆記事一覧

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