記事のポイント
- 米カリフォルニア州やニューヨーク州など24州が、米環境保護局を提訴した
- 同局が温室効果ガスの危険性認定を撤回する動きを受け、対抗したかたちだ
- 「気候災害に苦しむ米国民を、トランプ政権は支援しない」とNY州司法長官
米カリフォルニア州やニューヨーク州、アリゾナ州など24州は3月19日、米環境保護局(EPA)が温室効果ガス(GHG)の「危険性認定」を撤回する動きを受け、見直しを求めて首都ワシントンの連邦控訴裁に提訴した。ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は声明で、「トランプ政権は気候災害に苦しむ米国民を支援せず、現実を否認する」と批判した。(オルタナ編集部=松田大輔)
「危険性認定」は、複数の州の提訴や米連邦最高裁の判決を受け、EPAが2009年にGHGの健康や福祉への危険性を認定したものだ。自動車などの産業部門で、GHGを規制するための法的な根拠となってきた。
トランプ政権が気候変動対策に逆行した政策を続けるなか、EPAは2月、GHGは環境に有害であるとした危険性認定を撤回する最終規則を公表した。自動車向けのGHG排出基準も撤回すると示した。
この撤回は、米政府のこれまでの気候変動対策の法的根拠を切り崩すものとなるため、複数の州政府や環境NGOなどが反発していた。今回の訴訟に加わったのは、カリフォルニア州やニューヨーク州など24州に加え、ボストンやシカゴ、サンフランシスコなどの市や郡だ。
地方政府が連合を組み、危険性認定の撤回は気候変動による脅威を示す科学的証拠と矛盾していると主張した。提訴の根拠として、この撤回は、大気浄化法に基づくEPAの法的義務に反すると訴えた。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は声明で、「全米各地で、地域社会はすでに気候災害に苦しんでいる」と語った。
続けて、「こうした新たな現実に立ち向かうために米国民を支援するどころか、トランプ政権は現実を否認し、連邦政府の気候変動対応の基盤となる重要な保護措置を撤廃する道を選んだ」と厳しく批判した。
今回の訴訟は、2月の環境団体による提訴とあわせて審議される見込みだ。連邦最高裁まで判断が持ち越され、長期化する可能性もある。



