記事のポイント
- アクサ生命と東京大学が「ウェルビーイングスコア」を開発した
- 社員のウェルビーイング向上は離職率低下や生産性向上につながることが明らかに
- 今後サービスを通じて企業の価値向上を支援するとともに、さらなる研究も進める
アクサ生命と東京大学はこのほど、企業の人的資本を可視化する指標「ウェルビーイングスコア」を開発した。社員のウェルビーイングを可視化するもので、スコアの向上が離職率低下や生産性向上に寄与することが明らかとなった。今後はサービス提供を開始して企業の価値向上を支援するとともに、さらなる研究も進める。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

アクサ生命と東京大学がこのほど開発した「ウェルビーイングスコア」は社員一人ひとりのウェルビーイングを可視化して、企業の健康経営の取り組みや非財務価値の成長を支援する。アクサ生命は約90問からなる「健康習慣アンケート」を実施していて、このうちウェルビーイングにかかわる45の設問を活用してスコアを算出する。
ウェルビーイングスコアは「健康風土」や「働きがい」など8つの項目を加重平均することで算出する。自社のスコアと平均値を比較することもできる。3カ年の推移を示すことで、各項目での取り組みの成果や課題がひと目でわかる仕組みだ。
ウェルビーイングスコアと企業価値の関連についても示唆の富む結果が紹介された。事前に全国9434社のウェルビーイングスコアをトライアルで調査。売上高や離職率などを調べたところ、ウェルビーイングスコアが高い企業が良い結果を出していた。
スコアはアクサ生命と東大が2年かけて開発した。東京大学未来ビジョン研究センターの古井祐司特任教授は「日本社会の課題として、働き盛り世代の平均年齢上昇に伴う健康リスクの高まりや、病気になることで労働生産性向上の阻害などが挙げられる」と紹介し、社員のウェルビーイングを高める「健康経営」は「コストではなく、企業が持続的に成長していくための投資になっている」と指摘した。
今回開発したウェルビーイングスコアはアクサ生命の健康経営支援サービスを受けている企業を中心に提供する。アクサ生命執行役員の笠原芳紀アクサMCVP推進本部長は「ウェルビーイングの取り組みを通じて客観的に変化を読み取れるようになる」と紹介する。取り組み状況を数値で可視化することで、次の施策にもつなげることができる。
企業のウェルビーイング向上については、施策だけでなくトップの想いを社員に伝えていくことも重要となる。
アクサMCVP推進本部HPM事業開発部の村松賢治シニアディベロップメントエキスパートは「当社が支援している企業では社長へのフィードバックとともに、従業員も参加するセミナーを開催する。セミナーでは冒頭に社長が登壇し、社員にメッセージや想いを伝えてもらうようにしている。社長と社員の目線を合わせることもウェルビーイングスコアに大きく影響する」と指摘する。
笠原氏は「ウェルビーイングはサステナ経営の基本だ。中小企業は社長と社員の距離が近い。このことはウェルビーイングへの想いや施策の浸透に向けてはメリットだ」と強調した。



