多摩ニュータウンの公園運営、住民の居場所を生む

八王子市内の鹿島公園で開催しました。紙コップの中にLEDのライトを入れた1000個のキャンドルを公園で飾り、鑑賞するイベントです。他セクターと協力しやすいイベントのため、運営には10団体以上がかかわりました。

地域に住む子どもたちの作品が光り輝く

具体的には、児童館と学童保育所の子どもたちが紙コップに絵を描くほか、一部のキャンドルを2団体に借りました。宣伝には、自治会や団地の管理組合、連絡協議会など、5、6団体の協力を得ました。また、当日のボランティアとして2団体も協力してくれました。

――年間約150団体、2万人弱と協働するフュージョン長池ならではの取り組みですね。

私たちの公園だけでなく、八王子市の4カ所と連携して同時に開催し、各会場をオンラインでつなぎました。団体に属さない住民でも、持っているライトを公園で光らせれば気軽に参加できるイベントです。

――住民の反応はどうでしたか。

「自分たちだけではできないから企画してもらえるのはありがたい」という言葉をもらいました。地域の人たちが何に困り、何をやりたいのかを吸い上げながら活動を進めていくことが、これからの時代では意味があると感じています。

――イベントを企画するときに工夫していることがあれば教えてください。

全ての活動を作り込みすぎないことです。なぜなら、余白を作ることで、地域の人が活動に参加する機会を生み出せるからです。イベントを開催すると、地域の人が「お客さま」になってしまうことがあります。地域の人たちの挑戦に対するハードルを下げて主体的に関わってもらえる環境を、地域でも公園でも、どこでも生み出していきたいです。

長池公園自然観の外観

生け花を教えたいと考える女性と会ったのですが、その人は「自信がなく、できるか分からない。人が集まるかも分からない」と相談してきました。まずは挑戦することをすすめても、その人には難しいことでした。そこで、自然館の入口に生け花を飾ることを提案しました。

すると、「いいですね。いいんですか」と笑顔を見せてくれました。その女性は毎週、作った生け花を持ってきて飾りました。隣に生け花の流派などの紹介文を添えて、来館者に説明する活動もできたのです。この時、住民たちの自己実現を支えて、「ボトムアップ」を行う必要があると感じました。

グッドガバナンス認証:

一般財団法人非営利組織評価センター(JCNE)が、第三者機関の立場からNPOなど非営利組織の信頼性を形に表した組織評価を実施し、認証を行っている。信頼性を示す指標として、「自立」と「自律」の力が備わっているNPO であること、すなわち「グッドなガバナンス」を維持している組織を認証し、組織の信頼性を担保する。信頼性を見える化することにより、NPO が幅広い支援を継続的に獲得できるよう手助けをする仕組みだ。詳しくはこちらへ。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード: #NPO

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..