誰も取り残さない社会を目指して

グッドガバナンス認証団体をめぐる⑥「地球市民の会

1983年の設立以来、国際協力や地域づくりの事業を続けてきた認定NPO法人地球市民の会(佐賀市)。ミャンマーやタイ、スリランカで教育支援などを行うほか、地元佐賀では行政と連携し、子どもの居場所づくりにも力を入れている。岩永清邦事務局長は「行政の手が届かないところで困難を抱える子どもたちをつなげていきたい」と話す。(聞き手・村上 佳央=非営利組織評価センター、松田 慶子)

――多岐にわたる活動を展開されていますが、貴会のミッションや活動について教えてください。

私たちは「世界中すべての人々が他人の幸せを自分の幸せと感じられる人=地球市民になること」が実現する社会づくりを目標にしています。そのなかでも「感動」や「共感」を得られるような場づくりをしていきたいという思いがあります。

当会の活動はアジアでの国際協力事業が中心ですが、地元の佐賀でも、子どもの居場所づくりの活動をしています。海外事業と国内事業で共通しているのは、行政の手が届かない支援を行うということです。

具体的には佐賀市と連携し、地域のお寺で定期的に子どもたちが集まれる場を作っています。食事を提供したり、ボランティアの学生と一緒に遊べたりする場で、地域の方が運営して下さっています。学校に行けない、地元の機関にも相談できない事情を抱える子どもが、地域のおじちゃん、おばちゃんに相談しています。深刻な案件は行政につなぐようにしています。

行政の子ども支援は増えているものの、家庭の中まで踏み込めない、地域のつながりをつくることが難しいなど、手が届かない部分は多いのです。そのなかで子どもたちを取り残さず、つなげていける枠組みづくりに取り組んでいます。

子どもたちが集まり地域の大人に気軽に相談できる場を提供する
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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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