2021年に新設したNPO法人の活動分野で、最も多いのは「子どもの健全育成」だったことが分かった。これまでは福祉の増進を図る「保健・医療」が最多で、その次が「社会教育」だった。「子どもの健全育成」は3番目に多い活動分野だった。教育関連の団体が増えた背景には人権意識の高まりがある。(非営利組織評価センター=村上佳央)

(一財)非営利組織評価センター作成 *クリックすると拡大します

※一つの法人が複数の活動分野の活動を行う場合があるため、合計数は設立法人団体数と一致しない。
※集計元データ:内閣府NPOポータル行政入力情報データ(2022年5月18日時点)

2021年度に新設したNPO法人数は1466団体に及ぶ。最も多い活動分野は「子どもの健全育成」で、次いで「社会教育」となった。これまで最多だった「保健・医療」は3番目になり、3位までの順位が逆転した。

「人権・平和」が2つ、「観光」が3つ、「農村漁村」が4つ順位を上げた。一方、「国際協力」「情報化社会」「消費者保護」などの活動分野は順位を下げた。

NPOの活動内容の傾向から社会の関心の推移が分かる。2021年度は子どもの健全育成と社会教育、そして人権問題が結びついている様子が見て取れる。さらに地域の観光事業と農村漁村の活性化についても、従来と比べて重視する人が増えてきたようだ。

NPOは全国に5万団体

NPO法人は全国に5万786団体(2022年3月末)ある。様々な社会貢献活動を行い、収益を分配することを目的としない団体を指す。NPO法人は設立時にNPO法で定められた20種類の中から分野を複数選択して、公益のために活動を行う。持続可能な17の開発目標「SDGs」という言葉が生まれるより前に、NPO法人は社会問題を20種類に分けて取り組んできた。

NPO法人を探すときは「活動分野」で

複数の分野にまたがる社会問題も多く、SDGsなどの新しい目標も生まれている。NPO法人の活動分野も今後は見直される可能性があるだろう。とはいえ、現状ではこの活動分野を活用するとNPO法人を簡単に検索することができる仕様になっている。

内閣府NPOポータル「NPO法人を探す」ページでは、団体名のほか、活動分野で絞り込むことができる。非営利組織評価センターが提供する「ベーシックガバナンスチェックリスト」では第三者のガバナンスチェックを受けた340団体(2022年5月現在)の中から、活動分野やキーワードによって気になる団体を検索することができる。

どちらもCSVファイルで団体リストをダウンロードすることもできるので、眺めてみると新たな発見があるかもしれない。少なくとも社会問題への関心の高まりが、ある種のトレンドや話題提供に留まらず、実際の社会貢献活動につながっている様子が見て取れるだろう。