読書用メガネ販売で社会貢献、モラルアイズとピーパーズの挑戦

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社会起業家で、MoraleyesのJoe サックス氏。気さくで情熱的な若手起業家だ

米国のメガネ業界で、処方箋なしで気軽に購入できる読書用メガネは、同業界の唯一の上昇マーケットだという。中でも、ニューヨークの「モラルアイズ」と、ミシガンシティーにある「ピーパーズ」は、それぞれデザイン性のある読書用メガネを提供するだけでなく、社会貢献を目的とした活動も行っている。

ニューヨークで、モラルアイズを昨年立ち上げたジョー・サックス氏は、10年以上メガネ業界に従事してきた。起業をする際に、どうせ会社を始めるなら、社会に貢献するような企業にしたいと強く思ったという。

「ビジネススクール在学中に、トムスシューズの存在を知って、自分が長年携わって来たメガネ業界で、同じようなコンセプトの事業が立ち上げられないかと考えるようになった」

トムスシューズは、「1足販売に付き1足寄付を」というコンセプトで、アルゼンチンをはじめ、靴を買えない子どもたちのために、販売分と同じだけ靴を寄付する活動を行う社会的企業である。

■ 1年半で1万5千個のメガネを寄付

サックス氏は事業を立ち上げる過程で、「ニュー・アイズ・フォー・ザ・ニーディ」という慈善団体をパートナーに選んだ。ニュー・アイズは、1932年創立の歴史ある団体で、米国内だけでなく、世界中にいる目が悪くてもメガネを購入できない人々に寄付をするという活動を行っている。これまでに世界で750万人以上に、メガネの提供を行ってきた。

モラルアイズは、起業をした2011年から約1年半で、すでに1万5千個のメガネの寄付をニュー・アイズに行った。実際にサックス氏は、南米のホンデュラスまで医師に同行し、寄付したメガネが子どもたちの手に渡るのを目にし、ビジネスの更なる発展へのモチベーションになったという。

モラルアイズが提供する読書用メガネは、小売価格で約20ドル。いずれも色や形ともに、ユニークなフレームが揃う。また低価格の15ドル前後で販売しているサングラスも人気だ。そのデザイン性とコンセプトが人気を呼び、ファッションブランドのファッションショーやカタログ撮影などの小道具としても人気を集める。

消費者目線で用意しているメガネには、1点ずつ度数毎のカラーシールが取り付けられ、ラックに掲げられたリストで度数を確認したら、一目でどの度数のメガネが置いてあるかが分かるようになっている。こうした細かいカスタマーサービスも、サックス氏が長年メガネ業界に従事してきたからこそ、実現したサービス内容だ。

モラルアイズが、消費者目線で考えたディスプレイ。一つ一つの読書用メガネには、度数ごとに色のシールは付けてある。そのため、一目でどの度数のメガネかが分かるという仕組みだ

さらに、現在モラルアイズが積極的に押し進めている社会貢献プロジェクトが、「リサイクルプログラム」だ。商品を扱う店舗で、小さな箱を設置。使用しなくなったメガネをリサイクルする活動を開始した。集められたメガネは、ニュー・アイズの事務局に送られ、米国内並びに国外でメガネを必要とする人々に提供される。

■ 「社会貢献は好きでやっている」

一方、1993年からピーパーズという読書用メガネを販売する、老舗の「ピーパーズ・リーディング・グラス」も、長年ニュー・アイズを通してメガネの寄付を行って来たが、2012年は「ヒマラヤン・ヘルス・エクスチェンジ」と「ソールズ・フォー・ソールズ」を通して1千個のメガネ(1万5千ドル相当/117万円相当)を行った。

オーナーであるアレック氏とリンジー・サンマン氏は、「社会貢献は、我々の会社にとって重要な事業の一つ。我々の商品が、人々の視力と取り戻すことに本当に役立っているということを直接知ることは、とても感動的なことだ。我々が自分たちのやっていることを好きでやっている理由の一つでもある」と語る。

視力は、人々が快適な生活を送るための重要なマターの一つである。メガネを得ることで、普通の生活を取り戻すことができた人々を目の当たりにすることは、感動的なことだろう。

普段何気なくメガネを購入していた人々が、両社のメガネを通じて改めてメガネがなかった場合の不便さに気が付き、実際に不便な生活を送っている人たちを思って行動をする。メガネという小さな物が、人々の生活を変化させることができる。それこそ両社が行っている社会貢献的活動の意義である。(在ロサンゼルス=寺町幸枝)

http://www.moraleyes.com/
http://neweyesfortheneedy.org/
http://www.peeperspecs.com

2012年10月30日(火)12:13

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