小中2000校からパン食消える――「完全米飯給食」が拡大中

■ 健康づくりや食材費節減にも効果

島根県益田市真砂中学校体育館で食育について説明する杉原幸江所長(撮影・古屋了奨)

「完全米飯給食」は子どもたちの健康づくりにも役立っている。年間病気欠席率は2008年に3.48%だったのに対し、2012年には2.52%にまで減少した。

意外にも、地元の野菜を利用することで食材費の節減にもつながった。1食あたり250円(2009年)かかっていた食材費が179円(2012年)にまで減ったのだ。

杉原所長は、「旬とは、その野菜が一番美味しい時期であり、一番安い時期でもある。そのうえ、パンよりご飯の方がずっと安い」と説明する。

真砂地区は小規模農家が多いが、当初10人弱だった取引農家も今では50人弱に増え、地元農家や食品加工業者の収益向上にも一役買っている。

杉原所長は、「その土地でその季節に取れたものを食べて、生き、次世代に命をつないでいく。真砂地区の農産品を給食に取り入れたことで、その実感が生まれた。丈夫な体づくりは、幸せな人生を歩んでいくための基本。日常のなかで食育を実践し、その輪を広げていきたい」と語った。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..