スッポン、名は知られるも知られざる生息状況ーー私たちに身近な生物多様性(10)[坂本 優]

坂本 優
生きものコラムニスト
このエントリーをはてなブックマークに追加
写真A:明治神宮 潜航中のスッポンはこんな風で目立たない

写真A:潜航中のスッポンはこんな風で目立たない(明治神宮で撮影)

IUCN(国際自然保護連合)が定義する「絶滅のおそれのある野生生物のリスト」には、2014年11月時点で約2万2千種が登録されている。生物多様性の確保は喫緊の事項だ。本コラムでは、味の素バードサンクチュアリ設立にも関わった、現カルピス 人事・総務部の坂本優氏が、身近な動物を切り口に生物多様性、広くは動物と人との関わりについて語る。(カルピス株式会社 人事・総務部=坂本 優)

最近、明治神宮の南池、北池のカメをテーマとする観察会を行なった。雑種も増えていることから、断定的には言えないものの、全体にアカミミガメ系と思われるカメが多い中、北池では背中に3本の脊梁が走り、前足の比較的がっちりした、クサガメ系と思われるカメも目についた。

"写真B:画面左に煙草の吸殻が確認できる。 オリジナルサイズに拡大すると巨大なスッポンが出現(石神井川で撮影)

“写真B:画面左に煙草の吸殻が確認できる。 オリジナルサイズに拡大すると巨大なスッポンが出現(石神井川で撮影)

そんな観察会も終わりかけたひと時、池面を眺めていると、人の影につられコイが集まってくる。普段は何気なく見過ごしてしまうのだが、カメを観察していたせいで、水中にも注意が向いていたのだろうか。

これまで気づくことのなかった大きなスッポンが、コイの群れに交じって泳いでいるのを見つけた。コイに目が行くからか、体色が水の色に紛れてしまうのか、「スッポンがいる」と言ってもしばらくは気づかない人が多かった。そして気づくと一様に、コイと比べても遜色ないその大きさに驚いていた(写真A)。

ページ: 1 2 3

坂本 優
生きものコラムニスト
1953年生。東京大学卒業後、味の素株式会社入社。法務・総務業務を中心に担当。カルピス株式会社(現アサヒ飲料株式会社)出向、転籍を経て、同社のアサヒグループ入り以降、同グループ各社で、法務・コンプライアンス業務等を担当。2018年12月65歳をもって退職。大学時代「動物の科学研究会」に参加。味の素在籍時、現「味の素バードサンクチュアリ」を開設する等、生きものを通した環境問題にも通じる。(趣味ラグビー 関東ラグビー協会理事)

2015年7月8日(水)14:56

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑