「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択――新たに先進国も対象に

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2015年に期限を迎える「MDGs(国連ミレニアム開発目標)」に代わる「SDGs(持続可能な開発目標)」が25日、ニューヨークの国連本部で全会一致により採択された。MDGsの対象は主に途上国で、貧困撲滅などを目指す。これに対してSDGsは先進国も対象に含まれ、気候変動や生態系保全、経済課題などにも対処する内容だ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■日本も「対岸の火事」ではない

MDGsは2000年に策定され、主に途上国を対象に「極度の貧困と飢餓の撲滅」「普遍的な初等教育の達成」「女性の地位向上」など8分野、21項目で取り組みが行われている。各国の努力により、1日1.25ドルで生活する人が半減する、小学校での男女の就学率がほぼ同じになる、マラリア死者が3分の1に減少するなどの成果が挙がった。

一方、近年は地球温暖化や生物多様性の喪失、格差の拡大など、MDGsの枠組みでは対処できない問題も表面化している。

「SDGs(持続可能な開発目標)」が掲げる17の解決課題(引用元:http://www.globalgoals.org/ja/)

「SDGs(持続可能な開発目標)」が掲げる17の解決課題(引用元:http://www.globalgoals.org/ja/)

そこでSDGsでは「持続可能な開発」の実現に向け、MDGsの課題を引き継ぎつつ、新たに「国内および国同士の不平等の是正」「持続可能なエネルギーの確保」「気候変動対策」「平和の促進、全ての人の司法へのアクセス」などが盛り込まれた。取り組み対象は合計17分野、169項目と多岐にわたる。

SDGsがMDGsと比べて大きく異なるのは、先進国も対象である点だ。日本はODAをはじめ開発協力で大きな成果を挙げてきた。安倍首相が27日に国連で行った演説では、SDGsの目標達成に向け、「開発協力大綱」をベースにインフラ投資や人材育成、防災協力などの分野で国際社会に向け努力することが打ち出された。

しかし今後は国内課題の解決に向けた取り組みも問われる。いわゆるブラック企業・ブラックバイトや人身取引、根強い男女差別、6人に1人の子どもが貧困にあるとされる「先進国最悪レベル」の現状など、解決すべき問題は多い。

日本にとってSDGsが掲げる目標は決して「対岸の火事」ではない。市民・企業・NGO・行政などが、等しく課題解決に向けた行動を求められていると言える。

2015年10月1日(木)11:30

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