コロナ禍の本質について文化人類学者の竹村眞一・京都芸術大学教授・オルタナ論説委員は「本当に怖いのはウイルスよりも、その脅威を増幅させる社会のあり方」だと指摘する。
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新型コロナ感染拡大で問われたのは、物理的な距離だけではない。都市の3密(近さ)の一方で、それを支えるサプライチェーンの「遠さ」。すなわち遠くから運ばれてくる食料やエネルギー、人(通勤・外国人労働者・インバウンド)などグローバル経済の構造的な距離、そして地球や生命との距離感が問われた。
本当に怖いのはウイルスよりも、その脅威を増幅させる社会のあり方だ。また新型感染症が発生した背景に、地球環境破壊やSDGsの課題があるとしたら。