フィリップ モリスが定義する「煙のない社会」とはPR

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フィリップ モリス ジャパン(PMJ)の井上哲副社長は3月6日、「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」に登壇し、「煙のない社会を目指すフィリップモリスのグローバルな挑戦」と題して講演した。PMJの親会社であるフィリップ モリス インターナショナル(PMI)は約20年前から、紙巻たばこを燃焼することで発生する煙の中に多く含まれる有害性成分の量を減らすための研究開発を続けてきた。

「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」に登壇したフィリップ モリス ジャパンの井上哲副社長

■「より良い選択肢」を提示したい

井上副社長は講演の冒頭で「喫煙は健康に害がある」と強調。その上で、世界で11億人以上といわれる喫煙者の健康被害を減らすために、研究開発を続けてきたPMIの取り組みを紹介した。

同社は世界中から400人以上の科学者や技術者を雇用し、スイスにある研究所で研究開発を実施。2014年に加熱式のたばこ製品を発売した。同製品は、葉を直接燃やすのではなく加熱する方式で、発生する一部の有害性成分の量は、紙巻たばこの煙と比較して90%低減されている。

PMIによると、現在世界44の国と地域で販売され600万人以上が紙巻たばこから同社の加熱式たばこに切り替えたという。

井上副社長は、「健康被害をなくすためには、『禁煙』が最良の方法」と指摘。しかし、「禁煙したいがなかなかうまくいかない人」や「喫煙は続けたいが健康被害を少なくしたいと考える人」に向けて「ベターチョイス(より良い選択肢)」ひいては「ベターライフ(より良い生活)」を提供したいと話した。

PMIは2016年、「将来的にすべての紙巻たばこを煙の出ない製品へ切り替える」ことを宣言した。紙巻たばこの販売を将来的に中止し、健康リスクを低減した煙の出ないたばこ製品の普及・販売に事業の軸足を移す。紙巻たばこの喫煙者に対し加熱式たばこへの切り替えを進め、世の中全体の害の低減(ハームリダクション)に結びつけたい考えだ。

PMJ親会社であるフィリップ モリス インターナショルは、米国食品医薬品局(FDA)へ同社加熱式たばこ製品を「リスク低減タバコ製品(Modified Risk Tobacco Product)」として米国内で販売することの申請を行っており、FDAによる審査は継続中だ。

加熱式たばこの蒸気と紙巻たばこの煙を比べるとフィルターに色の違いが出る。「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」で

■「煙のない社会」の先にあるもの

「煙のない社会」の先に、PMIはどのような企業像を描いているのか。

PMIのアンドレ・カランザポラスCEOは「テクノロジーと科学を基盤にした企業(Technology and science driven company)」と公言している。

この言葉について、PMIエクスターナル アフェアーズのジェニファー・モテルス マネージャーはこう説明する。

「私たちの会社には、化学や農業をはじめとした研究者や毒性に関する専門家など、幅広い科学・技術者が揃っている。様々な分野の知識と研究データに基づき、新製品やサービスを生み出すことができ、現在の製品もさらにアップデートされていく。可能性は果てしない」

だが、現在11億人といわれる世界の喫煙者が仮に加熱式たばこに切り替えるとすれば、長い時間がかかるだろう。またそのためには生産に関わるサプライチェーンそのものを転換していく必要がある。

モテルス マネージャーは「自分たち自身がビジョンを持って産業を転換させることが重要。紙巻たばこを吸う人がいなくなる時代が来るまでは、私たちは変化し続ける」と力を込めた。

企業の具体的な将来像については、「企業は、製品やサービスそのものとともに、それをつくる『技術』を売っている。これまでと違う能力を持つ社員の参加で、提供できる技術の幅も広がる」と説明した。

井上副社長は、「加熱式たばこを開発する過程では、科学的なフレームワークの構築を行ってきた。その水準は医薬品業界が持つ高度なレベルに達した」と、今後の展望の一端を述べた。

■SDGs(持続可能な開発目標)を契機に

井上副社長(右)とPMIエクスターナル アフェアーズのジェニファー・モテルス マネージャー

2015年9月に国連で採択されたSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」では、「すべての国で『たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約』(FCTC)の実施を適宜強化すること」を求めている。

モテルス マネージャーは「PMIにとって逆にSDGsはチャンス」と話す。PMIはSDGsの採択を機に、新たな取り組みとして企業方針に取り込むことを決めた。

同社が初めて年次レポートでSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に取り組むことを表明したとき、「なぜたばこ会社のPMIが健康の促進を目標に掲げるのか」と批判が起こった。

「FCTCが目指すたばこの撤廃に対し、私たちの取り組みは資すると考えている。もし私たちが紙巻たばこの販売を終了することができれば、このターゲットに最も貢献することができる」(モテルス マネージャー)

井上副社長は「世界保健機関(WHO)でも加熱式たばこの規制に関する議論が始まったところ。私たちは新しいカテゴリーである加熱式たばこについて、科学的根拠やデータの提供も行っていきたい。WHOに対しては協力していく立場」と話す。

加熱式たばこは人びとに普及してからまだ年月も浅く、その健康リスクについては消費者も慎重に見極める必要があるだろう。科学と実証データに基づいて、客観的な視点からさらなる研究が求められており、それはフィリップ モリスの目指す方向性とも一致しているはずだ。

井上副社長はサステナブル・ブランド国際会議の講演のなかで、「『煙のない社会』の実現を目指すというコミットメント(約束)に向けて、真摯に、愚直に邁進していきたい」と力を込めた。

2019年4月3日(水)8:00

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