東北大学大学院薬学研究科の山國徹准教授は、ネオニコチノイド系殺虫剤のイミダクロプリドが哺乳類の末梢・中枢神経へ悪影響を及ぼす研究結果を発表した。
イミダクロプリドは厚生労働省が定める「毒物及び劇物取締法」で劇物に指定されているが、住宅用のシロアリ駆除剤として販売されている。昨今は駆除剤によって住宅が汚染される事故が増えており、居住者の健康被害が出ているという。
山國准教授の研究室では、マウスを使った実験で、副腎髄質細胞及び中脳ドーパミン神経細胞が低濃度のイミダクロプリドに長時間暴露した(さらされた)ときの影響について調べた。
イミダクロプリドが内在性アセチルコリン(生体または細胞の内部で生産される運動神経や副交感神経で刺激を伝達する物質)と協働して、ニコチン性のアセチルコリン受容体となり細胞膜へ集積され、神経細胞機能が亢進する仕組みを明らかにした。
「イミダクロプリドは循環器系に作用する」と山國准教授は脳への影響を懸念している。
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