エシカルは優良顧客戦略:ストライプ石川社長(3)

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――オカヤマアワードの後継は何かありますか。

石川:まだ考えていません。オカヤマアワードは次世代リーダーを表彰するものなので、さほど人口が増えない中で毎年新しいリーダーを輩出することが難しくなりました。これからは1年に1回は地方のアワードだと無理があるのではないかと思っています。

ただし、オカヤマアワードは一区切りですが、引き続き本社主導で岡山県の地域活性化を行い、一方で、全国に店舗がありますので、「ローカリングプロジェクト」というものもやっています。全国の店長が、主体的に行いたい地域活動には会社で予算をつける制度です。

――フェアサプライチェーンやダイバーシティ推進、デニムリサイクルなど社会性の高い取り組みを強化しておられます。これらのCSR活動による社内外の効果をどう認識していますか。

石川:会社を創業してから15年間は利益追求型でした。なので、当初はCSRを考えてもなかったです。15年目からもう少し社会に向き合おうと決めて、自社のCSRを考え始めました。当初は予算を使うだけで、例えば年間1億円の予算を取って、中国の砂漠で植林活動を支援するなどです。

いまはSDGs時代なので、環境保護だけでなく、児童労働や人権配慮などにも力を入れています。実は、去年、ダイバーシティ推進室がありましたが、年末にその室をSDGs推進室に変えました。

SDGsの中にもジェンダーの概念が入っているし、当社の社員のほとんどが「アライ」を表明しているのでそう決断しました。女性管理職比率も54%です。私もLGBTをはじめとするマイノリティへの理解を促進するイベント「東京レインボープライド」に率先して参加しましたし、社員が私にカミングアウトするようにもなっています。

「服をつくる会社」ではなく、「多様性をつくる会社」

当社は「服作り」ではなく、「多様性をつくる会社」だと認識しています。だから、アパレルブランドだけでなく、ホテルやレストランなどいろいろな業種にも着手しています。

アパレルを中心に、30以上のブランドがあります。仮に1ブランドや2ブランドしかなかった場合、一つの世界観にみんなが合わせる構造になると思います。

ですが、当社はピンクの髪の毛の子から茶髪の子、アジア人から欧米人もいて、「多様な会社」です。80歳近い匠職人もデスクに座って働いていますし、新入社員がブランドを持っている部署もあります。

多様性があることで、さまざまな事業が立ち上がり、会社が成長してきました。多様性からプロダクトが生まれて、テクノロジーを使って、マーケティングを行う。利益をきちんと生んで、サプライチェーンをSDGsに則ってクリーンにしていく。それらが好循環でまわる仕組みをつくろうとしています。

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石川 康晴(いしかわ やすはる)
株式会社ストライプインターナショナル
代表取締役社長 兼CEO
1970年12月15日岡山市生まれ。岡山大学経済学部卒。京都大学大学院経営学修士(MBA)。94年、23歳で創業。95年クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)を設立。99年に「earth music&ecology」を立ち上げ、SPA(製造小売業)を本格開始。現在30以上のブランドを展開し、グループ売上高は1,300億円、グループ従業員数は6,000名を超える。中国、台湾、ベトナム、インドネシアなど海外各国への進出も強化しており、国内外の店舗数は1,500店まで拡大。ファッションのサブスクリプションサービス「メチャカリ」や、ECデパートメント「STRIPE DEPARTMENT」、ホテル併設型グローバル旗艦店「hotel koe tokyo」など、最新テクノロジーを駆使したプラットフォーム事業・ライフスタイル事業にも注力。公益財団法人 石川文化振興財団の理事長や、国際現代美術展「岡山芸術交流」の総合プロデューサーも務め、地元岡山の文化交流・経済振興にも取り組んでいる。

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2019年9月4日(水)11:23

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