日本エシカル推進協議会(JEI、横浜市)は10月13日、企業がサステナビリティ(持続可能性)の取り組みを自己評価するための「JEIエシカル基準」を発表した。気候変動対策や人権、動物福祉など、幅広い8分野にわたって基準を定め、企業に包括的な取り組みを促す。これまで認証制度を使うことが難しかった中小企業や小規模な組織、自治体などの利用を見込む。(オルタナ副編集長=吉田広子)

JEIの中原秀樹会長(撮影・山口勉)

「JEIエシカル基準」は、商品やサービス、ブランドや企業がエシカル(倫理的)であることを総合的に確認するための基準だ。認証制度ではなく、企業や自治体などが客観的に事業活動を自己評価し、総合的な改善に役立ててもらうことを目指す。

JEIの中原秀樹会長は「『ショッピング・フォー・ア・ベターワールド』(より良い世界のための買い物)という価値観のもとで、エシカル基準を策定するプロジェクトがスタートした。最近では、『生理の貧困』が社会問題化したが、生理用品一つとっても、貧困やプラスチック問題、サプライチェーンの人権問題など、さまざまな要素を含んでいる。製造事業者が気付けば改善できることがたくさんある。改めて事業活動を見直すきっかけにしてほしい」と話す。

同基準は大きく8分野(大項目)に分かれ、それぞれ4~7 つの課題(中項目)が紐づく。項目ごとに点数化し、大項目の点数がいずれも60点以上であれば、おおむね「エシカル」と判断できるという。

●「JEIエシカル基準」8分野(大項目)

1. 自然環境を守っている
2. 人権を尊重している
3. 消費者を尊重している
4. 動物の福祉・権利を守っている
5. 製品・サービスの情報開示をしている
6. 事業を行っている地域社会に配慮・貢献している
7. 適正な経営を行っている
8. サプライヤーやステークホルダーと積極的に協働している

例えば、適正な経営に関する7.3「紛争や暴力の助長に加担しない」の項目では、「紛争と暴力のない平和な社会を構築するために、ビジネスを通じて積極的な貢献を果たしている」であればS(100点)、「軍事政権や武装勢力、またそれらにつながりがある組織との取引は行わない方針があり、取引の事実もない」がA(60点)、「サプライチェーンにおいて紛争や暴力への加担がないよう確認している」がB(40点)となる。

「JEIエシカル基準」はあくまで自己採点だが、エビデンスをもって事業活動を評価するように呼びかける。

同基準のデータは、同協議会のウェブサイトからダウンロードできる。今後は、エシカルな事業活動を行う組織を表彰するアワードも予定している。