書評『SDGsが問いかける経営の未来』

このエントリーをはてなブックマークに追加

この経営の眼差しを持つ者は鳥、虫、魚の目をより鋭く光らせる。誰よりも早く社会のメガトレンドをつかみ将来を予測し、誰よりも深く事業への影響を洞察し、誰よりも正確にこれらの時流を読もうとする。

グローバル資本主義により企業の短期的な経済的価値の追求が、社会的価値だけでなく廻りまわって自らの経済的価値をも毀損する。

しかも、想定を超えたスピードと不確実性を伴って。これが構造的な変化の正体だ。今稼ぎ頭の商売がいつの間にか消える、こんな脅威なのだ。本書はそうみなす。
本書で取上げるSDGsの目標やターゲットそして個々の問題は、経営目線ではビジネスリスクに他ならない。

このリスクを従来のヘッジやマネージメントの手法で対処せず、「新規事業候補」に読替えて、事業単位を「××業界」から分野横断的な「〇〇問題」に抜本的に変える。

その上で、企業価値=経済的価値+社会的価値を創出するプロセスを新しい経営モデルとして推奨するのである。

このモデルでの競争力の源泉は、従来の機能、品質、価格の他「大義力=社会課題解決」「ルール(秩序形成力)」「組織知(再現力)」である。

問題ベースの事業単位でも新たに市場を創出して、そこでのルールや規範の形成プロセスでイニシアティヴを握り、経済的価値を獲得する戦略が新しい経営モデルの一翼を担う。

新しい源泉はこれには欠かせない。この源泉で優位に立つステークホルダーを、引き寄せ手を携えることが成功の鍵である。ステークホルダーとの協働が、よりいっそうクローズアップされる理由はここにある。

ページ: 1 2 3 4 5

書評コーナー
CSRやサステナビリティに関する本の書評を投稿します。

2019年11月19日(火)16:27

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑