花王は7日、プラスチック使用量削減に向け同社が開発したフィルム容器を初めて使用したシャンプーなど3品目を、4月米国で発売すると発表した。フィルムの隙間に空気を入れ自立した容器として使用できるボトルで、従来のボトルに比べプラ使用量を50%削減した。「詰め替え」ではなくポンプの「付け替え」で手軽に交換使用できるのが特徴だ。同社が2019年4月に発表したESG戦略を体現する新ブランドとして販売拡大を目指す。(堀理雄)
発売するのはシャンプー、コンディショナー、ハンドウォッシュの3品目で、新ブランドの名称は「MyKirei by KAO」。同社が1年前、消費者が求める持続可能な暮らしの実現に向けて定めたESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」に沿った新製品だ。
同プランは、「暮らし」「社会」「環境」という3つの領域において「ごみゼロ」「責任ある原材料調達」など19の重点テーマを設定している。同社広報部の吉野日和子課長は、「今後シリーズの販売を通して、『Kirei Lifestyle Plan』の考え方や世界観を打ち出していきたい」と話す。
新製品は、同社が開発した「エアインフィルムボトル」を初めて採用。薄いフィルムだが自立した容器として使用できるため、残量がなくなった際にボトルに液体を「詰め替える」のではなく、ポンプ部分を「付け替える」だけで交換が可能だ。
米国は日本と比べシャンプーなどの「詰め替え」使用の普及率が低いため、むしろ「付け替え」だけで交換可能な製品のほうが受け入れられやすい、と吉野課長は指摘する。新ブランドは今後日本やヨーロッパ、アジア諸国などで順次展開していく予定だ。
米国内での使用後の容器は、ポンプを含め送料無料で送付すれば、産業用途でリサイクルする仕組みを整えているという。3品目はそれぞれ300ミリリットル入り18米ドルで、ポンプを除く付け替え用は16米ドル。取り扱いはAmazonのみで、小売店舗での販売は現在のところ予定していない。