宮城「塩釜の桜」で地域活性化

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手づくりにこだわり 塩釜の桜で地域活性化

宮城県塩釜市には「鹽竈桜(しおがまざくら)」というめしべが薄緑色した八重咲の桜がある。国の天然記念物であり、千年以上前に歌に詠まれた桜は市民の誇りだ。「ハレノヒ」はこの鹽竈桜を純国産の天然繭で再現。ブローチやストラップなどのグッズを製造・販売し、地域活性や歴史・文化保護に取り組んでいる。 (松島 香織)

「あけくれに さぞな愛でみむ鹽竈の 桜の本に 海人のかくれや」は平安時代に堀河天皇が詠んだ歌だ。(提供:ハレノヒ)

ハレノヒ(宮城県塩釜市)の鈴木つゑ子社長と、太田真さん、菊池千尋さんは、2012年に塩釜市と塩釜商工会議所が主催する起業家支援の講座「塩竈商人(あきんど)塾」で出会った。たまたまワークショップで同じグループになり、塩釜市を発展・活性化させる企画を出し合った。

鈴木社長は既に繭(まゆ)を使った化粧品などを扱う「繭工房華美」を運営していたが、その時、街を元気にするグッズはたくさんあるが、工芸品がなかったことに気付いた。

「鹽竈桜には奥深い歴史や文化があり、商品の価値を上げることができると思いました。

グッズにすることで、多くの人に塩釜の桜を知ってもらうことができます」と話す。
国内の繭生産量は、2012年の1244トンから5年後の2017年では626トンと半減している。それでも鈴木社長は純国産の繭にこだわり、宮城県で初めて純国産絹マークを取得した。

ブローチやストラップにする鹽竈桜の製作は、職人の山内道子さんに依頼している。

山内さんは、2016年に一般財団法人大日本蚕糸会が、蚕糸絹の振興発展に貢献した個人・団体を表彰する「蚕糸有功賞」を受賞。現在80歳と高齢だが、繭の選定から染色、成形まで一人でこなしている。「『私、好きなの』と細かい作業を丁寧に仕上げてくれます。そのセンスが素晴らしい」と鈴木社長は絶賛する。

塩釜の魅力を世界に

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2020年9月30日(水)11:00

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