コミュニティ志向の住民掘り起こしを目指す、東京にしがわ大学

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東京にしがわ大学のロゴ。しぜん、たべる、しごと、つくる、ふしぎ、こども、いのちの7つのテーマがイラストとして描かれている

誰もが気軽に参加できる大学を設立して地域活性化を促す試みが、東京多摩地区で進んでいる。1周年を迎える10月には違うテーマごとに話し合う場を連日設け、住民同士がつながる機会を提供する。

きっかけをつくっているのは、東京にしがわ大学(にわ大)。大学といっても法人格もキャンパスもまだない任意の団体だ。登録をすれば、だれもが入学でき、先生にもなれる。学びを通じて、ネットワークをつくろうという取り組みだ。

お花見散歩などのフィールドワーク、多摩エリアに広がる老朽団地をシェアハウスにした建物の見学会など、昨年10月の開校以来、約30の授業を行ってきた。毎月第二土曜日を「にわ大の日」とし、2~3のプログラムを同時に開催している。受講料は実費のみで、基本的に無料。

「東京の西側に広がる30市町村すべてをキャンパスと見立てて、このエリアにある面白いものや人、魅力を授業という形で出していこうとしています」と学長の酒村なをさんはいう。

にわ大は、地域密着型の学びの場を提供するNPOシブヤ大学の姉妹校。シブヤ大学が京都、札幌、名古屋などの都会に9校を展開して在勤者や遊びにきた昼間人口が支えているのに対し、にわ大は郊外型キャンパスで生徒は地域住民が中心だ。

大学の登録者は現在1700人に上り、20代~30代が7割を占める。参加者はもともと地域コミュニティへの参加志向が高い人たち。「地域で何かやりたいと思っているけど、自治会とかには入れない。自分が面白いと思えるモノとか地域とのつながりを見いだせないまま、ただ住んでいた人を掘り起こしている」と、にわ大立ち上げから関わる萩原修さんは分析する。

8月に開催されたシェアハウスミーティング。日野市の築50年の団地をシェアハウスにリノベーションした「りえんと多摩平」で

大学の立ち上げから運営まで、酒村さん、萩原さんなど約10人のメンバーで行う。自治体から助成、企業協賛などを受けているものの潤沢な資金はなく、拠点となる事務所もない。そのため週一回の定例会議は、地区内の飲食店を使用しながらだ。

開校一周年行事では、生徒自身が幹事となる「みんなでにしがわ食飲(しょくいん)会議!」を1日から31日まで開催。田舎暮らしや定年後の男の居場所など、さまざまなことを語る場所を提供し、オープンなネットワークとコミュニティの熟成を目指す。(オルタナ編集部=有岡三恵)

2011年10月1日(土)11:42

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