都心守る「水の守護神」、環七の巨大貯水池

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環七の地下約40メートルに続く直径12.5メートルの調節池

台風シーズンはそろそろ終わるが、東京23区の西部を洪水から守るのが「神田川・環状七号線地下調節池」だ。都市型洪水が発生しやすいのは6月から10月までで、今年一番の貯留量を記録したのは、8月26日の集中豪雨の際の9万2000立方メートルだった。都心の「水の守護神」である同貯水池の機能を紹介しよう。

同調節池は、東京23区内に円を描く都道「環状七号線」の地下にある。都内最大の流域面積を持つ神田川水系は、1993年の台風11号で4706戸、2005年の集中豪雨で3591戸の家屋を浸水させた。

都は、温暖化や市街化、ヒートアイランド現象などの影響で増加する水害を防止するため、20年、1010億円をかけて、2008年3月に同調節地を完成した。川のそばの用地が確保できず、道路の下が利用された。総延長約30キロメートルの「環七地下河川」計画の一部だ。

内径12.5メートル、全長4.5キロメートルの巨大なトンネルに、最大54万立方メートルの水を貯める。川の水位を常に監視し、一定の高さを超えると3カ所の取水口から地下に水を導いて一時的に蓄える。

稼働は年に平均2回。貯めた水は、洪水の危険が去ってからポンプで吸い上げて川に戻す。2009年の台風18号では、過去最多の50万5000立方メートルを貯留して被害を抑えた。

台風や集中豪雨で一気に河川や下水道が増水し、密集する住宅地や発達した地下街に流れ込むのが、都市型洪水の特徴。適度なスピードで水が浸透する田畑や土壌がアスファルトに覆われた都市は、いつも水害の危険と隣り合わせだ。

気象庁データによると、過去30年の平均で、関東地方に接近・上陸した台風の数は、6月が0.2、7月が0.4、8月が0.9、9月が1.1、10月が0.6で、他の月は0である。

また、東京で30mm以上の雨が降った日数も11月を境に減る。しかし2010年12月には同調節池に11万3800立方メートルの貯留が必要な集中豪雨があったので、油断はできない。

同様の地下貯水施設は埼玉県東部にもある。国道16号の地下にある全長6.3キロメートルの「首都圏外郭放水路」だ。最大貯留量は67万立方メートル。国土交通省が2006年に完成した。いずれの施設も世界最大級の規模である。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

2011年10月17日(月)11:24

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