再稼働に揺れる福井で「風船調査」など市民の動き活発化

伊方原発付近で行った風船による放射能拡散予想調査の様子

大飯原発の再稼働が焦点になっている福井県で、脱原発を求める市民活動が活発になっている。

国際環境NGOグリーンピースは24日の福井県議会2月定例会に合わせ、福井市内に活動拠点「福井アクション・センター」を設置。3月16日の閉会までスタッフを常駐させ、再稼働の地元合意を探る県議会の傍聴を市民に呼び掛けたり、地元自治体への働きかけを強めたりしている。

初日の本会議は俳優の山本太郎さんや呼び掛けに応じた市民ら113人が傍聴。議会事務局によると傍聴者数は少なくとも西川一誠知事が就任した過去5年間では最多だった。28日の代表質問は午前中に22人が傍聴に訪れた。

グリーンピースは「再稼働ストップウォッチ」プロジェクトとして、審議のなかで原発や再稼働について話された時間をストップウォッチで計測。内容や公開性を含めて点数をつけて評価する。初日は7分30秒話され、総合評価を100点満点中85点とした。

また、インターネットを通じて「再稼働を認めない福井県への応援メッセージ」を募り、会期中の参加者数の推移を議員に伝える。メッセージは会期後にまとめて県議会に届けるほか、参加人数10人ごとに紙風船1つを用意し、地元の若者やボランティアと一緒に大飯原発付近から飛ばし、事故が起きた際の放射能拡散予測に利用する。目標参加者数は1万人で、28日現在約500人がエントリーしている。

「福井Love風船」と名付けられたこのプロジェクトと同様の風船を使った調査は、福井に隣接する岐阜県を中心とした東海地方の市民も計画。3月3日午前、福井県敦賀市の美浜原発を望む水晶浜海水浴場から風船を飛ばし、風向きや拡散範囲などを調べる。

風船に連絡先を記したカードを付け、拾った人から電話をもらい地図に記入。結果は3月11日に岐阜市で行う脱原発パレードで発表するという。

1000個の風船を飛ばすための費用10万円を目標に寄付を募っている。問い合わせは事務局の石井伸弘さん(nobuhiro_141@yahoo.co.jp)まで。(オルタナ編集委員=関口威人)

福井Love風船プロジェクト

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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