サステナブル化進む英スーパー、 「ショワッピング」や自然エネ導入も――下田屋毅の欧州CSR最前線(16)

下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役
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在ロンドンCSRコンサルタント・下田屋毅氏

ロンドンオリンピックは閉会したが、英国の大手スーパーマーケットは、サステナビリティ/CSRへの取り組みを続け、さながらその取り組みに関して競っているようでもある。

「プランA」で有名なマークス&スペンサー(M&S)はこの度、「ショワッピングに行こう!」という取り組みを始めた。これは、ショッピングとスワッピング(交換する)を掛け合わせた造語である。M&Sで衣服などの買い物をする際には、その都度古着を持参しようというもので、それら古着はM&Sで購入したものでなくてもよい。

古着は、M&Sの店舗内に設置された「ショワップ・ドロップ・ボックス」の中に入れる。この取り組みは、国際NGOオックスファムとの協働事業だ。M&Sで「ショワップ」された古着は全てオックスファムに提供される。

オックスファムは、古着などを販売するリサイクルショップを英国各地で展開している。M&Sで回収した古着をオックスファムで再販売、または、発展途上国へのそれら古着の送付、あるいは、マテリアルリサイクルを実施している。この古着販売で得たお金を人道援助や、世界の貧困撲滅へと使用している。

英国では、ゴミ処理の主流は埋立処理(ちなみに日本は、焼却処理)で、減らす努力を行ってきているが、年間で50万トン、10億枚もの使用済み衣服が、依然として埋立処理されているという。

この「ショワッピングに行こう!」キャンペーンでは、埋立処理されている古着を事前に回収し、埋立処理を減らす狙いもある。

また、英国スーパーマーケット大手の「セインズベリー」は、この度、地熱発電技術を使用し、2016年までにセインズベリーの持つ100の支店に対して、100メガワットの自然エネルギーの供給を実施すると発表した。地下深くで得られる自然エネルギーを活用して、ヒーティング、温水、そして冷却に使用する。

セインズベリーは既に地熱発電技術をロンドンの南東にあるクレイフィールドの支店で使用しており、使用エネルギーの30%をこの自然エネルギーから賄っている。セインズベリーは、地熱発電を利用した世界発のスーパーマーケットであるという。地熱利用によって、2005年比30%の二酸化炭素の排出を削減し、2030年までには、全てを自然エネルギーで賄うとしている。

大手スーパーマーケット競合他社も、サステナビリティ/CSR活動の一環として、低炭素技術の導入を実施してきている。テスコは、世界初のゼロ・カーボン・スーパーマーケットをケンブリッジシャーにオープンしその後6店舗へと拡大。M&Sは、2012年現時点で、全ての支店、オフィス、倉庫、運送車両に関して、カーボン・ニュートラルを実施している。

消費者が、価格だけでなく、それら企業のサステナビリティ/CSRへの取り組みに賛同する形で、スーパーマーケットを選ぶ時代に突入している。(在ロンドンCSRコンサルタント・下田屋毅)

 

 

下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役
在ロンドン CSR コンサルタント。大手重工業会社に勤務、工場管理部で人事・総務・教育・安全衛生などに携わる。新規環境ビジネス事業の立上げを経験後、渡英。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。欧州と日本の CSR の懸け橋となるべくCSR コンサルティング会社「Sustainavision Ltd.」をロンドンに設立、代表取締役。ビジネス・ブレークスルー大学講師。

2012年8月13日(月)11:22

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