まず第一期のプロジェクトとして手がけるのが太陽光発電事業だ。2015年秋までに、合計11カ所に設備を設置して、東北電力に売電する。合計出力は約2メガワット(2000キロワット)で、約600世帯分の電力を生み出すことになる。
はじめに手がけるのは、設備の中で最大出力(1メガワット)となる雄国地域(喜多方市)の太陽光発電設備で、2014年9月に稼働する。事業には地元金融機関からの融資と補助金の活用のほか、全国の市民からの出資も募集する予定だ。設備の設置などは地域の事業者が担い、地域内でお金を回す仕組みだ。
第一期の太陽光発電事業を通して企業体力と信頼関係を培い、第二期以降では地域の川や森を活かした小水力発電や、木質バイオマスなども手がけようと検討している。設備の周辺に子どもたちの教育施設もつくり、自然エネルギーについて学べるようしたいという構想もある。
会津電力監査役である遠藤由美子さん(会津三島町・奥会津書房代表)は、「私たちは、さまざまな方々と信頼関係を築きながら、時間をかけて立ちあげ準備をしてきました。会津地域だけでなく、オール福島で連携しながら、日本全体、世界に向けて活動を発信していきたい」と語る。
福島の市民が主体となってはじまったこのチャレンジは、単に電力を生み出すというだけではなく、日本の都市と地域のあり方を問いなおす意味を持つ活動になりそうだ。