記事のポイント
- UNFCCC は、2025年9月までに提出された64の新たなNDCを分析した
- それを「国別決定貢献(NDC)統合報告書 2025年版」にまとめた
- 1.5℃目標達成にはさらなる国際協力が不可欠だと警告した
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局は10月28日(現地時間)、「国別決定貢献(NDC)統合報告書 2025年版」を発表した。UNFCCC は、2025年9月までに提出された64の新たなNDCを分析した。各国の気候行動が加速している一方で、1.5℃目標達成にはさらなる国際協力が不可欠だと警告した。(オルタナ輪番編集長・吉田広子)
UNFCCCは、2024年1月から2025年9月までに提出された64の新たなNDCを分析した。対象国は世界の排出量の約3分の1を占め、2035年までに2019年比で17%の削減が見込まれるものの、1.5℃目標達成には依然として不十分と指摘した。
報告書によると、締約国の98%が国内での温室効果ガス削減に向けた緩和策を報告している。さらに、80%の国がUNFCCCが特定した「低コストかつ高効果」の6分野のうち少なくとも1つに取り組んでいることが明らかになった。
中でも、植林・再植林、太陽光エネルギー、森林減少の抑制が、高い削減ポテンシャルと支援の必要性を併せ持つ重点分野として示された。
全体の75%の国が、再生可能エネルギー容量の3倍や、低炭素水素・炭素回収技術の拡大といった国際的な目標に対し、定量的な貢献を掲げている。
UN気候変動事務局のサイモン・スティール事務局長は、「世界は正しい方向に進んでいるが、ペースを急速に上げる必要がある」とコメントしている。報告書は、各国の行動が前進している一方で、国際的な資金・技術支援の拡充と信頼回復が急務だとした。
また、報告書は、73%の国が適応策を、89%がジェンダー配慮策を、70%が公正な移行をNDCに統合しているとした。「政府・経済・社会全体を巻き込む包括的な気候行動の時代が始まった」と結論付けた。


 
                                        

 
                                     
				 
				 
				 
				 
				 
				 
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