記事のポイント
- 日本総研は、環境配慮を動機とした消費者行動の変容を検証した
- 児童向け環境啓発が、保護者など家族の行動変容にもつながることを確認した
- エコラベルなどのチェックが増え、環境配慮商品の認知や継続購買率は向上した
日本総合研究所(東京・品川)は1月22日、児童向け環境啓発が世帯の行動変容につながったことを示す実証成果を発表した。日本総研は、価格ではなく環境配慮を購買動機とした消費者行動の変容を検証するために、自治体、メーカー、小売と連携し、教育啓発から販促購買まで一気通貫での実証実験を試みた。エコラベル表示などを知る「学び」が、環境配慮への目利きを増やし、環境配慮商品の認知拡大や継続購買率の向上につながった。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

この実証成果は、消費者の脱炭素行動変容を促す「みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト2025」の活動成果として、日本総研が1月22日に発表したものだ。
大阪府・兵庫県・奈良県・京都府・横浜市の自治体と、メーカーや小売流通企業15社で構成するコンソーシアム「チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム」と連携し、教育啓発が購買行動へ与える影響を定量的に分析した。
日本総研・創発戦略センターのグリーン・マーケティング・ラボの佐々木努ラボ長は、メディア向け説明会で、「勇気づけられる結果だった」と力を込めた。
■教育啓発から販促購買まで「一気通貫」で試す
本実証実験では、連携自治体の小学校4~6年生に、エコラベルやカーボンフットプリント(CFP)に関する学習キットを配布し、夏休みの自由研究として、「エコラベルハンター2025」と称する学習コンテストを開催した。学校で学んだ内容を踏まえて、家庭と店舗でエコラベルを探索し、たくさんエコラベルを集めた児童を各自治体が表彰する取り組みだ。
エコラベル表示商品を買い求める顧客が、店舗で容易に当該商品を見つけられるよう、小売流通企業も協力した。
スーパーマーケットの万代(大阪・東大阪市)やドラッグストアのスギ薬局(愛知・大府市)は夏休み期間の8月に、割引や還元といった金銭的インセンティブではない形で、エコラベルやCFP表示商品をテーマに販促キャンペーンを展開した。
例えば、万代が全169店舗で展開したキャンペーンは、該当商品を購入した応募者に抽選で脱炭素につながるプレゼントが当たるというものだ。応募時にアンケートに回答することで当選確率が高くなることを明示したほか、応募1件につき5円を大阪府環境保全基金に寄付するとした。
学習キット、学習コンテスト、販促キャンペーンの3つの施策を連動させ、学習コンテスト応募時や、万代やスギ薬局のキャンペーン参加者へのアンケート回答、さらにはID-POSデータを組み合わせて、実証の成果を分析した。

© Japan Research Institute, Limited
■児童向け環境教育は保護者にも還流する
その結果、「学び」がきっかけとなって、普段からエコラベルを確認して商品を購入するなど、環境配慮商品に目利きができる生活者が増えることが確認できた。環境配慮商品の認知の拡大だけでなく、そうした商品の初回購入率、単価・個数、継続購買率が高まることも確認した。
また児童向けの環境啓発は、児童だけでなくその保護者の行動変容も促せることも結果は示した。「商品選択時にエコラベル・CFPを確認するようになった」という保護者は、子どもが学習キットや学習コンテストに取り組む前と比較して、約7倍に拡大した。

©The Japan Research Institute, Limited.
(この続きは)
■学びが環境配慮商品の購買を押し上げた
■グリーンウォッシュ防ぐ取り組みに
■垣根を超えた連携は不可欠

