記事のポイント
- 米ニューヨークにあるDL1961社は環境配慮型のジーンズを自社工場で作る
- 水の消費量を限りなく減らし、98%を再利用した
- 通常、ジーンズ1本当たり約8千リットルの水が必要だが、38リットルで済む
米ニューヨークに拠点を持つ、DL1961社は環境配慮型のジーンズ製品を自社工場で作る。その特徴は、水の消費量を限りなく減らした点にある。水の98%を再利用し、循環型な服作りを目指す。(ニューヨーク・古市 裕子)
DL1961社は、着なくなった服や使用済みペットボトルなどをリサイクル材として再利用し、新しいジーンズを製造する。全工程を自社工場で管理し、エネルギーや水の使用を最小限に抑えた。
通常の製造では、ジーンズ1本当たり2000ガロン(7570リットル)の水が必要だが、同社ではわずか10ガロン(38リットル)の水で1本のジーンズを作り上げる。
同社は水の使用量を削減した製造プロセスを確立するため、10年以上投資を続けてきた。その結果、吸収性の高い繊維の開発、環境への負荷が少ない染料などを製造に取り入れることに成功した。
水の消費を抑えて、「完全循環」を目指す。製造工程で使用した水は社内の水処理施設に送る。そこで、特殊なバクテリアが藍の染料を分解するので、その水は市内の下水として再利用可能になる。現在、消費する水の98%を再利用している。
レーザー技術を活用することで、水を使わずにヴィンテージ風の特徴を引き出した。一般的には、デニムの風合いを出すために化学物質を使う。その際、大量の水が必要になる。
だが、同社は水を使わないレーザー技術を駆使して、余分なインディゴを除去した。従来の洗浄技術よりも大幅に環境負荷を下げた。
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