サステナブルなものづくりに反する「計画的陳腐化」とは

記事のポイント


  1. 製品の「計画的陳腐化」に刑事罰を与える法律がある
  2. フランスでは故意に製品寿命を縮める行為に実刑と罰金を課す
  3. 製品の長期利用を促し、気候変動の影響を抑えるのが目的だ

フランスには2015年依頼、製品の「計画的陳腐化」を行った者に刑事罰を加える、世界初の法律がある。国土への気候変動の影響を抑えることを目的に様々な方策を盛り込んだ「緑の成長のためのエネルギー移行法」の一部だ。刑事訴追の例は少ないものの、故意に製品寿命を縮める行為に実刑と罰金を課し、製品の長期利用を促す。(在パリ編集委員・羽生のり子)

■製品寿命を故意に縮める行為に実刑と罰金

フランスで、製品の「計画的陳腐化」を行った者に刑事罰を加える、世界初の法律が2015年8月に発効した。国土への気候変動の影響を抑えることを目的とした「緑の成長のためのエネルギー移行法」の一部だ。

「計画的陳腐化」とは、この法律の条項に記載された定義によれば「製品を市場に出す者が製品寿命を故意に縮め、製品の交換率を高めようとする技術全体」を意味する。

違反者には2年の実刑と30万ユーロ(約5520万円)の罰金が課せられる。2016年5月の法令で、定義の部分が、「製品を市場に出す責任者が、製品の交換率を高める目的で、技術を使って製品寿命を故意に縮めるという計画的陳腐化の行為を禁じる」に変更された。

■製品だけでなくソフトウェアも規制対象に

その後、2021年11月に発効した「デジタル環境フットプリント削減法」に関連して、技術にソフトウェアを加えた。

さらに「製品の交換率を高める目的」を削除して、「製品を市場に出す責任者が、ソフトウェアを含む技術を使って、製品寿命を故意に縮めるという計画的陳腐化の行為を禁じる」に変更した。ソフトウェアを加えることで、物質的な形がないものも対象になった。ソフトウェアの更新で性能が低下したり、特定の機能が使えなくなるようなケースも対象になり得る。

「製品の交換率を高める目的」を削除したことで、裁判になった場合、原告にとっては被告の違反の目的を証明する必要がなくなり、より提訴しやすくなった。

(この続きは)
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hanyu

羽生 のり子(在パリ編集委員)

1991年から在仏。早稲田大学第一文学部仏文卒。立教大学文学研究科博士課程前期終了。パリ第13大学植物療法大学免状。翻訳業を経て2000年頃から記者業を開始。専門分野は環境問題、エコロジー、食、農業、美術、文化。日本農業新聞元パリ特約通信員、聴こえの雑誌「オーディオインフォ」日本版元編集長。ドイツ発祥のルナヨガ®インストラクター兼教師養成コース担当。共著に「新型コロナ 19氏の意見」(農文協)。執筆記事一覧

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