「企業の贈答文化」が転換期、物価高と環境配慮で新潮流広がる

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記事のポイント


  1. 民間調査で、企業贈答(法人ギフト)文化が転換期を迎えていることが分かった
  2. 物価高や環境配慮により、大企業の約4割が「贈答の頻度が減少した」と回答した
  3. 受け手の負担軽減や環境配慮を意識した、新たな贈答の形が広がりつつある

民間調査で、企業贈答のあり方が変化している実態が明らかになった。物価高や環境意識の高まりを背景に、大企業の約4割が「贈答の頻度が減少した」と回答した。従来の慣習を維持しつつも、受け手の負担軽減や環境配慮を重視した「新しい贈答スタイル」への関心が高まっている。(オルタナ編集部・川原莉奈)

「新しい贈答」スタイルとは

企業の贈答文化は長年の慣習に支えられてきたが、フラワーギフトブランドを展開するLIVENT(リベント、東京・品川)の調査で、そのあり方に変化の兆しが見られた。

贈答品選びにおいて、贈り手の約8割が受け取る側の負担(管理・処分・スペース確保など)を「意識する」と回答した。環境配慮(低炭素・廃棄削減など)についても、約8割が「重要」としている。

受け取る側の負担意識
環境配慮への意識

過去1~2年の贈答頻度では、中小企業の約5割が「変わらない」とする一方、大企業では4割超が「減っている」と回答した。

贈答頻度の変化(大企業・中小企業)

企業規模で差が出たものの、全体として「形式的な贈答」から「意味のある贈答」へのシフトが進んでいると考えられる。
実際、約8割の企業が新しい贈答スタイルの検討に前向きな姿勢を示した。

新しい贈答の検討(大企業・中小企業)

こうしたニーズに応える動きも出ている。
帝人グループの帝人ソレイユ(東京・千代田)は2025年、枯れた贈答用胡蝶蘭を回収してリユース・リサイクルするサービスを開始した。

障がい者雇用を推進する「農福連携」のモデルケースとしても機能しており、贈られた側の廃棄負担を軽減しつつ、資源循環と社会貢献を両立させる仕組みとなっている。

同社によると、既に複数の企業から回収依頼を受けているといい、今年3月には贈る側があらかじめ回収費用を負担する「引き取りチケット」の提供も開始した。

受け手の利便性と環境負荷の低減を両立させるこうした取り組みが、これからの企業贈答のスタンダードとなっていくのかもしれない。

【調査概要】

調査名:「企業贈答に関する調査」

調査日:2026年2月27日〜2月28日

調査方法:QiQUMO調査サービスを利用したインターネット調査

対象:企業や組織でBtoB贈答手配に関わる全国男女300人

※本調査では、従業員数301人以上を「大企業」、300人以下を「中小企業」として分析している。

kawahara

川原莉奈 (オルタナ編集部)

早稲田大学理工学部卒業後、大手自動車関連メーカーで7年間勤務。その後、「全く異なる世界を見てみたい」との思いからフリーランスに転身。ファッション・ライフスタイル系のWebメディアでデスク、エディター、ライターを務める。2023年からは、並行してNPO法人にてWebデザインや広報を担当し、社会課題への関心を深める。ライターとしてのモットーは「複雑なテーマを整理し、シンプルに伝えること」。

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