■放課後の問題は学校だけが抱えるものなのか

「放課後の子どもたちを取り巻く課題は果たして学校だけの問題なのでしょうか。学校でも当然考えていい問題ですが、決して学校だけで解決できる問題ではありません。しかし、そういうものが学校の中にたくさん持ち込まれているのが現状です」
と西川氏は問いかける。例えば、地域の人から「家の前で子どもたちが遊んでうるさい、キックボードに乗っていて危ない、お菓子を食べてゴミを散らかしている。先生なんとかしてください」といった苦情の電話が学校に入る。先生は謝罪し、「直接子どもたちに声をかけていただいてかまいません」と伝えるものの、やはり地域の人たちは学校でなんとかしてほしいという姿勢になりがちだという。
学校の先生から注意を受けた子どもたちは一時的に大人しくなっても、放課後の居場所がないのでどうしようもなくなり、やはり道路で遊んでしまい、再び苦情の電話がかかる…。
このような子どもたちをめぐる課題は地域の課題でもあり、学校の課題でもある。西川氏は「地域と学校が一緒に目の前にある課題や情報を共有し、その先にある目標やビジョンを一緒に考えていく、ということをしなければ解決は難しい」と、その重要性を語った。
■「協働」で放課後をつくっていく