「生態系の維持には人間の手が必要」

「なぜ自然のまま放置してはいけないのか。そのままにしておくと、次第に池は植物に覆われ、湿地に変化してしまう。もともとメダカは、人が整備した水田・水路やため池に住んでいた。メダカが住める環境を維持するには、人の手で草を刈り取ることが欠かせない」
こう説明するのは、動物生態学が専門でメダカの研究を行う佐原雄二・弘前医療福祉大学保健学部教授だ。NEXCO東日本は2008年から、佐原教授の指導のもとで「あずましの水辺」の保全活動を開始。春と秋の年2回、生態系保全と環境教育を兼ねた地域イベントを実施してきた。
10月3日に行われた保全活動には、青森中央学院大学・短期大学の学生と教職員、青森中央高校の生徒、青森北高校の生徒と教職員、NEXCO東日本グループ社員ら約50人が参加した。
草刈りと水生生物採集を終えると、佐原教授による課外授業が行われた。採集した水生生物を前に、大人も生徒も熱心に聞き入る。
「この『あずましの水辺』には、もともと周辺に住んでいたメダカやドジョウ、ギンブナなどの子孫が住んでいる。造成当初にいなかった国内外来種のモツゴ(淡水魚)は、周囲の水田から給水されていた時期に入ってきたと思われる」(佐原教授)。そう聞いたNEXCO東日本社員は「こんなところにモツゴがいるのか」と驚きながら、バケツをのぞき込む。

飼育環境で体の色が変わるメダカの特性を観察しようと、黒と白の容器が用意された。しばらく経って容器のふたを開けると、黒の容器に入ったメダカの色は濃くなり、白の容器に入ったメダカの色は薄くなっている。生徒たちは「本当だ」「不思議だね」と顔を見合わせた。
地域連携とSDGsの実現へ