■オルタナ本誌60号 TOP INTERVIEWから
ニールズヤードレメディーズ(東京・港)の梶原建二社長は昨秋から、気候危機を訴える講演を無料で始めた。気候変動を理解する経営者は多いが、自ら社外で説いて回る経営者は他にほぼいないだろう。その背景にはブランドの原点である英国の創業者と、アル・ゴア元米国副大統領との邂逅があった。(聞き手・森 摂=オルタナ編集長、文・寺町幸枝)
利益を超えた存在意義貫く
ー 英国ニールズヤードレメディーズと最初に出合ったきっかけは何でしょうか。
私がまだ20歳代のころ、人に役立つクリエイティブなものを海外で探していました。そのころロンドン繁華街の一つ、コベントガーデンにあった小さな店の前を偶然通りかかったのです。そこで、創業間もないニールズヤードレメディーズとその創業者ロミー・フレーザーに出会いました。
そして1985年にオーガニックでサステナブルな自然化粧品を日本に輸入販売するニールズヤードレメディーズを始めました。今はもう引退し、70代になったロミーとは今でも友人ですが、ニールズヤードは創業当初から、誰かに頼っていたら絶対に手に入れられない「健康」をテーマにしていました。
ー なぜ当時から創業者はそこにこだわっていたのでしょうか。
彼女の思想には「一人でも多くの人を健康にし、美しくしたいという思いとともに、そのために何かを犠牲にするのはおかしい」という考えがありました。ロミーはビジネスの選択を迫られた時に、売れるかどうかよりも「その製品が次世代に残して恥ずかしくないものか」ということを判断基準にしていました。
「疑わしくは扱わず」の精神で、遺伝子組み換え不使用、動物実験なし、オーガニック、フェアトレード、コミュニティートレード(生産者から直接購入)を実現しています。
パッケージも創業当時からガラス瓶で、製品にマイクロプラスチックビーズを使用したことはありません。
*この続きは雑誌「オルタナ」60号(第一特集「循環経済(サーキュラーエコノミー)はR(リサイクル)よりもR(リデュース)」、3月30日発売)に掲載しています。