記事のポイント
- 高市政権に対して「女性ウォッシュ」との批判が出ている
- 背景には、選択的夫婦別姓や同性婚などへの保守的な立場があるとされる
- 英語で「ジェンダーウォッシュ」と呼ばれるこの指摘は、何が問題なのか
日本初の女性首相、高市早苗首相が誕生し、自民党は衆院選でも大勝した。一方で、その政権運営をめぐっては「女性ウォッシュ」との批判も出ている。英語で「ジェンダーウォッシュ」と呼ばれるこの指摘は、何が問題なのか。(オルタナ輪番編集長・吉田広子)
■なぜ「女性ウォッシュ」と言われるのか
語源となる「ウォッシュ(wash)」には、「ごまかす」「欠点を覆い隠してよく見せる」という意味がある。
代表的なのは、「環境」を意味するグリーンと組み合わせた「グリーンウォッシュ」だ。環境に配慮しているように装いながら、実態が伴わない活動を指す。ほかにも、今回のジェンダーウォッシュ、LGBTQ関連のピンクウォッシュ、ウェルビーイングウォッシュなど、さまざまな派生語が生まれている。
ウォッシュの問題点は、有権者や消費者、投資家などが「配慮されている」と思い込み、適切な判断ができなくなる点にある。その結果、問題の本質が覆い隠され、状況が固定化したり、深刻化したりする恐れがある。
ジェンダーとは、社会的・文化的に形づくられた「女性らしさ」「男性らしさ」を指す概念だ。世界経済フォーラムは毎年、各国の男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」を公表している。2025年版では、日本は148カ国中118位と低位にとどまった。特に、経済分野と政治分野における女性の参画の遅れが大きな課題とされている。
高市首相に対して「女性ウォッシュ」との批判が出ている背景には、選択的夫婦別姓や同性婚、皇位継承のあり方などをめぐり、保守的な立場を示してきたことがあると指摘されている。
さらに、自民党は重点施策の一つに女性活躍を掲げ、政治・行政分野における男女共同参画の推進をうたっている。一方で、高市内閣の女性閣僚は3人(首相含む)にとどまっている。過去には、第1次小泉内閣(2001年4月~)、第2次安倍内閣(2014年9月~)、第2次岸田内閣(2023年9月~)で、女性閣僚が5人に達したことがある。
(この続きは)
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